カノン・メンフィスは「蒼穹のファフナー」シリーズに登場する女の子です。最初に登場した彼女は、主人公達のいる竜宮島を攻撃する任務を受けた、敵側の人間でした。しかし、そんな彼女が主人公の真壁一期を始めとした島の人たちと触れあうことでどう変わっていくのか、そこから待ち受ける彼女の運命とは何なのかを紹介していきます。カノン・メンフィスを通して「蒼穹のファフナー」の持つ魅力を知ることができます。
【蒼穹のファフナー】カノン・メンフィスとは
(出典:EXODUS#17)
カノン・メンフィスは「蒼穹のファフナー」第一期から登場する女の子です。故郷アイルランドがフェストゥムに滅ぼされ孤児となり、失意のどん底にいる時に、新国連人類軍に拾われ、人類軍の軍人として生きてました。命令のみに従い、自ら何も選んでこなかった彼女が竜宮島の運命を選び、ついには島の運命を変える存在になります。
蒼穹のファフナー
(出典:Amazon)
「蒼穹のファフナー」は2004年から放送されているアニメシリーズです。主な舞台となる人工の島、竜宮島に住む子ども達が、島に攻めてくる未知の生命体フェストゥムから島を守るために、巨大ロボット兵器、ファフナーに搭乗して戦う物語です。
体重
カノン・メンフィスの体重は第一期の時点で49㎏です
曲・歌
「蒼穹のファフナー」第二期EXODUSの17話のエンディング曲として、通常のエンディングとは違う、カノンの想いを伝える曲が放送されました。angelaの歌う「愛すること」という曲です。映像と歌詞がリンクして、見ている人の涙を誘いました。
声優
(出典:声優王)
カノン・メンフィスの声を担当している声優さんは小林沙苗さんです。声優歴20年というベテランの声優さんです。
代表作は
・「ヒカルの碁」塔矢アキラ役
・「夏目友人帳」夏目レイコ役
・「創聖のアクエリオン」紅麗花役
美形・美女キャラから子どもまで、さらには少年役を演じる機会も多い、多彩な声質を持っている声優さんです。カノン・メンフィスの声では、カノンの軍人というキャラクターに合った力強い演技を見せてくれています。
【蒼穹のファフナー】カノン・メンフィスのかわいい魅力4選
カノン・メンフィスが「蒼穹のファフナー」シリーズに初登場した第一期の場面では、竜宮島に攻めてきた軍人でした。いかにも軍人らしい、愛想の無い彼女でしたが、劇場版、第二期と進んでいくと彼女自身も変わっていき、魅力溢れるシーンがいくつも出て行きます。ここでは、そんな彼女の魅力を紹介します。
魅力1.心を持たない軍人から女の子へ
(出典:Twitter)
カノン・メンフィスは故郷をフェストゥムによって滅ぼされた孤児でした。家族や友人を全て失っていることから、自己への否定が強く、人類軍のパイロットになったのも自分の死に場所を探すためでした。意思のない心を持たない軍人であったカノンが、竜宮島で暮らすようになり、徐々に子どもらしさや、女の子らしさを見せるようになります。甘めのワンピースも着るし、恋心も芽生えます。そんな激変ぶりを見せる一方で、やはりどこか元軍人らしいたくましさも持ち合わせているのが魅力です。
魅力2.後輩達のファフナーの名前を一生懸命考える
(出典:EXO#4)
第二期EXODUSになると、カノンはパイロットを引退しエンジニアとして、ファフナーの建造に関わり、また後輩の育成も行っています。第三世代のファフナー機に仮の名前(機体コード)を付け、後輩達に披露する場面があります。カノンが「フェイトフィア」「フラガラッハ」など発表すると、後輩たちは「呼びにくい」「違うのがいい」と言いい、色などにも好き放題注文を付けます。そんな新世代の子どもだちに戸惑うカノンでした。最終的に決定した、「アマテラス」「スサノオ」などの名前を発表すると、好評を得て心底安心するカノンが可愛らしいです。(第二期EXODUS4話)
魅力3.真壁一騎に想いを寄せている
(出典:EXO#6)
カノンが竜宮島を消そうとしていた時、それを止めたのは主人公の真壁一騎でした。それ以来、徐々に真壁一騎には特別な想いを抱くようになります。真壁一騎の体を心配し、もうマークザインには乗るなと言うカノンですが、「命の使い方を教えてもらった」と言う一騎を止めることが出来ませんでした。カノンは「いつもそうだ。お前は人の話も聞かないで私の心をバラバラにする」と号泣してしまいます。一騎の気持ちは自分へは向かないと知っているカノンは、一騎へ直接気持ちを伝えることはありませんが、いつも一騎を心配し想っています。(第二期EXODUS6話)
魅力4.仲間を想う意識が強い
(出典:EXO#4)
もともと竜宮島の人間ではないカノンは、体内にフェストゥム因子(竜宮島の子どもたちがフェストゥムと戦うために先天的に移植している因子)が無いため竜宮島のファフナーに乗ることができませんでした。仲間意識が強まるにつれ、自分もみんなと同じになりたい同じように戦いたいと思うようになり、危険が伴うため周囲は反対しますが、それを押し切ってフェストゥム因子を移植しました。(第一期24話)EXODUS序盤ではファフナーパイロットを引退していたカノンですが、後輩達がSDPの副作用に苦しんでいる様子を見て、後輩達を守るためにパイロットに復帰します。
カノン・メンフィスのSDPは未来視
(出典:Twitter)
カノン・メンフィスはアニメ第一期から竜宮島のファフナーパイロットとして戦闘に参加します。ここでは、カノンのSDP(超次元現象)について解説します。
変性意識
後天的にフェストゥム因子を移植したカノンは、当初明確な変性意識は見られませんでした。しかし、劇場版では変性意識とも見られる怒りを表すシーンが見られるようになります。やっと自分の居場所となった竜宮島を攻撃するフェストゥムに対する強い怒りが表れます。
SDP(超次元現象)
EXODUSにてパイロットに復帰すると同時にカノンにSDPが発現します。カノンのSDPは未来を見ることができる「予知」です。ファフナーに搭乗しシステムと一体化すると、目の前に数多くの未来の日付が表示されます。これは、今後起こりうる可能性のある未来であり、その一つ一つをシステム内で疑似体験することにより、日付が更新され、新しい未来を導き出すというものです。カノンが新しい未来を見つけることにより、同化現象を押さえる薬が発見されたり、未来が良い方向に向かっていきます。
カノン・メンフィスの搭乗機はマークドライツェン
カノン・メンフィスがメインで搭乗している機体はマークドライツェンです。また、人類軍に所属している時には違う機体にも乗っています。ここではカノンが搭乗する機体について紹介します。
ベイバロンモデル
(出典:Twitter)
カノンが人類軍に所属していた時から載っていた新国連製のファフナー機です。第一期前半から後半まで搭乗しています。主に女性が乗ることが多く、軽量でスマートな機体です。フェストゥム因子を使用しない機体なので、性能は高くありません。
マークドライ
(出典:fc2ブログ)
もとは要咲良が乗っていた機体ですが、第一期後半で咲良が同化現象により搭乗不可能となったため、フェストゥム因子の移植に成功したカノンが乗ることになりました。橙色の機体で、主に近接攻撃を行う接近戦用の機体です。咲良が復帰すると、搭乗者もカノンから咲良になります。
マークドライツェン
(出典:ニコニコ静画)
劇場版HEAVEN AND EARTHから登場し、二期EXODUSでも乗っているカノン・メンフィス専用のファフナー機です。赤のカラーリングがされています。大型のクラスターが装備されていて、高い機動力があります。主な武器はルガーランスで機動力を生かした戦闘を行います。
蒼穹のファフナーシリーズのカノン・メンフィスまとめ
第一期で竜宮島に攻めてきた人類軍の軍人として登場したカノン・メンフィスですが、劇場版、第二期と進むにつれ彼女の立場が大きく変わっていきます。立場だけではなく彼女の気持ちも大きく変わっていきます。そんな激動とも言える彼女の遍歴を各シリーズ毎に紹介します。
第一期
(出典:1期#17)
カノン・メンフィスが最初に登場したのは、一期の14話からです。竜宮島のファフナーを奪いに来た人類軍の軍人の一人でした。この時点でのカノンの年齢は14歳です。人類軍は竜宮島の奪取に失敗し、島を離れますが、カノンは島に残りフェンリル(自爆装置)を使用し島もろとも自爆するよう命令されていました。その命令にカノンは「了解。これでやっと本当にいなくなれる」とつぶやきます。この時点で、カノンは自分の居場所はどこにもない、早くこの世からいなくなりたいと思っていたことが分かります。命令を遂行しようとするカノンですが、一騎の説得によりフェンリルのコントロールを解除し投降します。カノンの身柄は羽佐間容子に預けられ、ともに暮らし、学校にも通うようになります。始めは軍人としての振る舞いが抜けませんが、徐々に馴染んでゆき竜宮島に自分の居場所をみつけます。正式に竜宮島のファフナーパイロットとなりますが、カノンはフェストゥム因子を持たないため、フェストゥム因子を持つ者しか乗れない竜宮島のファフナーには乗れませんでした。そのため自らフェストゥム因子の移植を望み、移植に成功します。その後、竜宮島のファフナーにも乗れるようになり、フェストゥムとの戦闘に参加します。
劇場版HEAVEN AND EARTH
(出典:HEAVEN AND EARTH)
第一期から2年後、正式に羽佐間容子の養子となり名前を羽佐間カノンに改めます。羽佐間容子を母さんと呼び、軍人のような振る舞いは消え、女性らしくなっています。フェストゥムを移植したことにより、変性意識や同化現象が見られるようになります。後半では、同化現象が進行し、戦闘中に機体がフェンリルの実行を推奨しますが、カノンはそれを「まだだ、まだ私はここにいるぞ」と拒みます。第一期では、いなくなりたいと願っていたカノンが生きることを選択するようになっています。その後さらに同化が進行し、末期症状である結晶化が始まってしまいますが、「いくなカノン、お前はここにいろ」と真壁一騎が同化を引き受けることで、カノンは助けられました。
第二期EXODUS
(出典:EXO#4)
19歳になったカノン・メンフィスは、ファフナーパイロットから引退し、エンジニア、メカニックとしてファフナー機の製造に関わったり、後輩達からは「先生」と呼ばれ、後輩の育成も行っています。第一期から変わらず想いを寄せている真壁一騎には、体を心配しファフナーに乗って欲しくないと思っています。一騎がインド派遣部隊を助けに行くと決めた時には、涙ながらに止めますが、一騎はファフナーに乗りインドに旅立ちます。第二期中盤にカノンにSDP「予知」が発現します。ファフナーに乗ると様々な未来の日付が表れ、滅びを予知していた竜宮島に新しい未来を見つけ出していきます。SDPの副作用として、カノンの体重が徐々に減っていき、最後は21gにまで減少します。17話で喫茶「楽園」にて「好きだよ、一騎」と初めて真壁一騎への想いを口にし、光に包まれながら消えてしまいました。
第三期THE BEYOND
第三期において、まだカノン・メンフィスが登場する場面はありません。体は消えて無くなりましたが、ファフナーにおいては死亡した人がクロッシングなどを通じて意識体として登場する場面があるので、カノンもその可能性はあるのかもしれません。
帰還後は羽佐間容子の養子「羽佐間カノン」に?
(出典:Twitter)
人類軍の軍人であったカノン・メンフィスですが、竜宮島に投降後は一人娘を失ったばかりの羽佐間容子の家で暮らすようになります。軍人としてしか生きる道が無く、生きる目的も見失っていたカノンに、自分が居てもいいのだと思える居場所と愛情を与えました。真壁一騎・遠見真矢・近藤剣司と4人で挑んだ「第一次蒼穹作戦」に参加する際には羽佐間容子に「生きて帰ったら、母さんと呼んでいいか?」と尋ねました。無事に帰還したカノンは、正式に羽佐間容子の養子となり、名前を羽佐間カノンに改め、容子を母さんと呼び共にくらしています。
【ネタバレ】カノン・メンフィスの最後は死亡?復活は?
(出典:EXO#17)
第二期EXODUSの17話にて、カノン・メンフィスが消えてしまうシーンがあります。竜宮島の島民は死亡しても、竜宮島のミールの記憶の中に残り続けています。ではカノンの場合はどうなのか、さらに復活はあるのか、解説していきます。
最後は死亡したのか
体の質量が無くなり、同化現象が末期を迎えカノンの体は消滅してしまいました。蒼穹のファフナーにおいて同化現象により死亡する場合の多くは、結晶化して砕けるのですが、カノンの場合はキラキラと輝く光に包まれながら消えてしまいました。体が消えたという意味では死亡しています。しかし死亡した後、体は消えても意識体として竜宮島のミールの一部となり、仲間の危機を救う場面に登場します。体は消えても、カノンの意識はそこにあるのだと思います。
復活はあるのか
カノンの体が復活する可能性は低いのかもしれません。しかし、今後また意識体としてパイロットの誰かとクロッシングを通じて登場する可能性はあるかもしれません。
【蒼穹のファフナー】カノン・メンフィスの名シーン
カノン・メンフィスはシリーズの第一期から登場します。最初は敵側の人間として登場し、その後さまざまな経験を通じて竜宮島の運命を選ぶ大事な存在の人へとなっていく中で、名シーンも多くあります。ここでは、そんなカノンのシーンを紹介します。
前はいた、今はもういない
(出典:1期#17)
竜宮島と共に自爆するよう命令されていたカノンを止めるために、説得する役を買って出た真壁一騎と様々なやりとりをします。一騎が「家族は?」と尋ねるとカノンは「前はいた、今はもういない」と答えます。「お前はどこにいるんだ」と聞かれると、また「前はいた、今はもういない」と答えます。このやりとりで、一騎はカノンは、誰かに命令されるのを待って、自分じゃ何も決められず、いなくなりたいと思っているだけの人間だったことを知ります。一樹に「お前が決めろ」と迫られたカノンは「私が、決める?」と取り乱しますが、その結果、自ら自爆装置を切る決断をします。(第一期17話)
前はどこにもいなかった、だが今はここにいる
(出典:ニコニコ静画)
敵であるフェストゥムがファフナーパイロットを同化する際に発する台詞が「あなたはここにいますか」です。これまでカノンはその問いに「前はいた、今はもういない」と答え続けていました。しかし真壁一樹らと「第一次蒼穹作戦」に参加した際、またフェストゥムが「あなたはそこにいますか」と問います。それに対してカノンは「前はどこにもいなかった、だが今はここにいる!」と初めて叫びます。ここにきて、初めて竜宮島が自分の居場所である、そこで生き続けると決めたカノンの叫びでした。(第一期25話)
未来のために一人で戦い続ける
(出典:EXO#16)
カノン・メンフィスにSDP(予知)が発現し、ファフナーに乗ると竜宮島が滅びる未来を見ます。これは、このままだとそうなってしまう実際の未来です。「自分が悪い未来を引き寄せている気分だ」と皆城織姫に相談すると「見ているだけじゃダメ、未来と戦いなさい」と言われます。そして周りにはシュミレーションだと偽り羽佐間容子の心配をよそに、ファフナーに乗り一人で何時間も未来の敵と戦い続けます。すると「未来と戦うと、それ以前の未来が更新される」と気づきます。そうすることで、これまでになかった未来を徐々に手に入れていきます。(第二期EXODUS16話)
喫茶「楽園」で消えてしまうシーン
(出典:EXO#17)
カノンはSDPで未来の敵と戦い続けていましたが、最終的に島が滅びる原因となる未来を見つけ出し、原因となる敵を倒して、滅びの日付以降の未来を手に入れることができました。しかし、SDPの副作用である体重の減少は着実に進んでいきました。最後にファフナーに乗った時の体重は3㎏で、その後は魂の重さと言われる21gまで減少していました。最後を悟ったカノンは、皆の憩いの場所である誰もいない、喫茶「楽園」に向かいます。そこに未来の真壁一騎が現れ、一緒に行こう、二人で生きようと手を差し出します。しかしカノンは、それは自分が心のどこかで願ってしまった未来で、望んでいた未来ではない、私はその未来を選べないと、泣きながら顔を背けました。そして「後は頼む」とあめ玉の紙に後輩達へのメッセージを残し。「好きだよ、一騎」と呟きながら光に包まれ消えてしまいました。(第二期EXODUS17話)
まとめ
この記事では「蒼穹のファフナー」シリーズの登場人物、カノン・メンフィスについて、彼女の登場シーンや魅力を紹介しつつ解説してきました。第一期の登場のしかたから、まさかこのように変化するとは、と驚くほどの成長を見せるカノンです。涙無くしては見られないシーンもあり、人気のあるキャラクターです。カノン・メンフィスを通してアニメ「蒼穹のファフナー」に興味を持たれたのなら、ぜひこの作品を見て楽しんでください。