CANAAN(カナン)を解説!アニメ・428・百合・続編・キャラ・銃
(出典:1zoom.me)

本記事では、CANAANの魅力を様々な角度から掘り下げていきます。
CANAANは様々な魅力を持った作品ですが、原作が長編のノベルゲームとなっていること、キャラが複雑な感情を持っている点から、ややハードルの高い作品になっていると思います。本記事では、多くのメディアに広がっているCANAANの世界観を整理して解説していきますので、読んで頂いた後は改めてCANAANを視聴したくなる記事となっています。

CANAAN(カナン)とは?

CANAAN(カナン)
(出典:paworks)

CANAAN(カナン)とはチュンソフト『428 〜封鎖された渋谷で〜』のボーナスシナリオが原作の作品です。制作はTYPE-MOON(通称、型月)が手掛けました。こちらの後日談であり、2年後のエピソードにあたるのが、この記事で紹介するアニメ版になります。制作はP.A.WORKSになります。
TYPE-MOONの特徴と作品に共通する世界観を紹介しながら、他のTYPE-MOON作品も少し解説します。

型月

型月
(出典:prtimes)

型月ことTYPE-MOONは、1999年に同人サークルとして結成しました。
代表の武内祟が、中学時代からの友人である奈須きのこと同人サークル「竹箒」を結成。これにプログラマー清兵衛と作曲家Kateが加わると、2000年にTYPE-MOON名義の初作品、『月姫』を発表しました。

武内祟

武内祟
(出典:KADOKAWA)

武内崇は、TYPE-MOONの代表です。元コンパイルでCGグラフィックの仕事をしていた武内は、初期の作品武内崇の原画と彩色を担当しました。現在は制作には、プロデューサーとして関わっているようです。余談ですが、CANAAN(カナン)試写会でのエピソードがTwitterにありました。

奈須きのこ

奈須きのこ
(出典:pixiv百科事典)

奈須きのこは、TYPE-MOONのシナリオ作家です。奈須は、SF・ミステリファンを公言しており、元々は小説家を志望していました。自身の得意分野である、伝奇小説にミステリーの手法を取り入れ、文芸誌で執筆をしていました。アダルトゲーム『ONE ~輝く季節へ~』のレビューを見て、恋愛シミュレーションでありながらSF要素がある点に惹かれ、ゲームライティングの世界に飛び込んだことを本人が述べています。それが『月姫』に繋がります。

意味

CANAANの意味は、『希望』の意味として使われています。
主人公であるカナン本人を指すのですが、実はこの名前はカナンの宿敵であり、兄弟子であるアルファルドが名乗っていました。のちほど、しっかり解説しますが、二人に戦闘技術を教えた傭兵の男シャムがカナンの名前を与えました。またヘブライ語聖書に『約束の地』と呼ばれる聖地があります。イスラエル人がカナンの地に至った後に『イスラエルの地』という別の概念を与えたそうです。

聖地

聖地
(出典:Wikipedia)

聖地は、CANAANに込められた言葉です。シャムは中東の出身ですが、現実の歴史の中で、アラビア語でシャーム地方と呼ばれた地域がありました。かつてのオスマン帝国時代のシリアを指す大シリア地方と呼ばれた広大な地域がシャーム地方です。

このシャーム地方に紀元前18世紀ごろの文書に、地中海沿岸に住んでいた歴史上の原初の民がカナン人であり、イスラエル人が到来するまでは聖地『約束の地』と呼ばれていました。シャムの教え子である二人のカナンは、ともに家族を戦争で失ったことでシャムに育てられ、後にカナンの名を与えたことを考えると、この歴史からCANAAN(カナン)の物語の着想を得たのでは?と、つい考えてしまいます。

CANAANとfateの繋がりは?

CANAAN fate
(出典:Twitter)
CANAANとfateの繋がりは無いようですが、
Fateの言峰綺礼を演じる中田譲治が、タクシードライバーを演じています。

CANAAN(カナン)のあらすじ・世界観

それではいよいよ、CANAANのあらすじ・世界観の解説をしていきます。
CANAANは、型月原作としては珍しくリアルな現実の世界の国際的な駆け引きが展開されていきます。現実の世界を舞台にすることで戦闘シーンの銃の演出が際立ち、キャラの複雑な感情を表現しているのがCANAANの魅力です。

あらすじ

あらすじ
(出典:#2)

渋谷を襲ったウーアウイルス・テロから2年。被害者の一人である大沢マリアは、「ヘヴン出版」の新人カメラマンとして古参のライター御法川実と共に上海を訪れます。マリアは犯罪組織「蛇」をめぐる紛争に巻き込まれ、「鉄の闘争代行人」の異名を持つ友人カナンと再会し助けられます。カナンは「蛇」の首魁である宿縁の相手、アルファルドと戦いを繰り広げ、その彼女をマリア、御法川が追うことになりました。

世界観

世界観
(出典:#1)

舞台は2000年代後半の上海になります。政治的な国境を超えた駆け引きが繰り広げられ、中国の民間企業とアメリカ政府の癒着や二重スパイ疑惑のキャラが出てくるなど、実写スパイ映画的なハードな世界観です。

ウーアウィルス

ウーアウィルス
(出典:#1)

ウーアウイルスは、元々は『428 〜封鎖された渋谷で〜』に出てくる架空のウイルスです。短径90~110nm程度、長径500~700nm。
しばしば反り返った形状の「鎌形」になるため、「死神の鎌」とも呼ばれることもあります。 空気感染で広まりますが、感染者が発症しなければ他者には移らないようです。
特にウーアで死亡した人間の体液が一番危険で、アニメ1話で発症者の血に触れそうになったマリアをカナンが救出するシーンがあります。
ウーア・ウイルスの「ウーア」というのはスワヒリ語で『花』を意味し、ウイルスの増殖した形が花びらに似ていることから命名されました。恐ろしいことに、感染から発症までの時間も短く、なんと12時間で発症します。 一つ体内に侵入しただけで1時間で2000個に増殖する驚異的なスピードです。

【ゲーム】『428 封鎖された渋谷で』

428 封鎖された渋谷で
(出典:steam)
『428 封鎖された渋谷で』は、CANAANの原作となるチュンソフトのサウンドノベルです。渋谷の街を舞台に繰り広げられるサスペンスです。実写を使用し、現実の俳優が出演しています。サウンドノベルとは、複数主人公制で、シリーズの草分けであるチュンソフトの『弟切草』『かまいたちの夜』の影響から、恐怖心を煽るホラー物やサスペンス形式の作品が多いのが特徴です。

本作では主人公全員が4月28日の渋谷で起きた出来事に直接的、または間接的に関わっており、メインシナリオ全体で一つの物語となる構成となっています。

元々は、2008年12月4日にセガ×チュンソフトプロジェクト(開発はチュンソフト)発売されたWii用サウンドノベルゲームです。その後、何度かハードを変えて復刻されており、2018年9月にPS4版とWindows版がスパイク・チュンソフトから発売されています。

あらすじ

渋谷で女子大生誘拐事件が発生します。犯人は被害者大沢マリアの妹に現金5000万円を持たせるよう指示。警官が張り込む中、ハチ公前にアタッシュケースを持って立っているマリアの妹、大沢ひとみに銃口が向けれます。
取材で渋谷を奔走するフリーライター御法川実、マリアとひとみの父親でウイルス研究者の大沢賢治、インチキ商品の販売を手伝うことになった記憶喪失の謎の着ぐるみタマの物語が複雑に絡みつつ、渋谷の街は騒乱の渦に包まれていきます。
やがて、単なる営利誘拐事件と思われていた裏側に、世界のパワーバランスを揺るがす大きな陰謀が隠されていたことが判明し、物語は予想もつかない急展開を遂げていきます

スパイク・チュンソフト

スパイク・チュンソフト
(出典:スパイク・チュンソフト)

スパイク・チュンソフトは、ゲームコンテンツ企画会社です。
前身のチュンソフトをプログラマーの中村光一が1984年に設立、中村は、その後ファミコンの『ドラゴンクエスト』の開発を担当することになり、ドラゴンクエストシリーズは『ドラゴンクエストV』までの開発に携わります。『弟切草』で自社ブランドデビューを果たし、その後、『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』『かまいたちの夜』『風来のシレン』『街 〜運命の交差点〜』と立て続けに新ジャンルを開拓します。特に『かまいたちの夜』はオリジナル版以外も含めると125万本の売り上げを飛ばし、優良メーカーの代名詞として活躍を見せる。自身は会社経営のため、プログラマーからは退いています。2012年4月1日付でチュンソフトは同じドワンゴ傘下のスパイクを吸収合併してスパイク・チュンソフトとなります。

428「カナン編」

428 カナン編
(出典:YouTube)
428「カナン編」は、『428 封鎖された渋谷で』のボーナスシナリオです。

本編は実写ですが、「カナン編」はアニメで構成されており、TYPE-MOONが制作しています。時系列はアニメ版の2年前の設定ですが、ほぼ内容はカナンとアルファルドが出会い、対立の原因となったウーアウィルス奪取事件の回顧録となっています。

428本編とCANAANのつながり

428本編とCANAANはつながりは非常に深いです。
まず、428本編がノベルゲームということもあって作中におけるウーアウィルスの設定や描写が細かくウィルスへの恐怖感が伝わって来ます。
ここからは428のネタバレになります。終盤に助っ人としてカナンが渋谷にやって来ます。カナンは誘拐事件の犯人はアルファルドであると口にします。ですが、実はこれはプレイヤーへのミスリードになっており、カナンを名乗った女性こそがアルファルドであることが解ります。また、着ぐるみを着ているタマの中身は、実は記憶喪失の大沢アリアであることが解ります。では、本物のカナンはどこ?、という謎を残してエピローグへ。ボーナスシナリオ「カナン編」に繋がります。カナンファンが428をプレイすると、カナンとアルファルドの関係をより深く知ることが出来ます。

アニメ「CANAAN(カナン)」

アニメ CANAAN
(出典:#1)

ここからはアニメ版の解説になります。アニメ版は、428の世界で起きた渋谷を舞台にしたウーアウィルス事件から2年後の上海を舞台に、主にカナンとマリアとアルファドの視点から描かれるストーリーになります。

放送日

放送日は、2009年7月〜9月の期間です。

キャスト

キャスト
(出典:アニメイトタイムズ)
アニメcanaanのキャストは以下の通りです。

カナン - 沢城みゆき
アルファルド・アル・シュヤ - 坂本真綾
大沢 マリア - 南條愛乃
御法川 実 - 浜田賢二
リャン・チー- 田中理恵
カミングズ-大川透
ユンユン- 戸松遥
夏目- 皆川純子
ハッコー- 能登麻美子
サンタナ- 平田広明

ストーリー

ストーリー
(出典:#4)

戦争で家族を失ったカナンとアルファルドが、シャムという同じ男に育てられ、結果として違う全く違う志しを持つようになった経緯を追う内容になっています。カナンは、兵士としての高い戦闘能力と五感を複合的に使用する「共感覚」という能力で、人の感情を「色」として視覚化することができます。結果、対象人物の数秒先の行動も見ることができるので、常に相手の一歩先を行く戦闘が可能となるのですが、宿敵アルファルドは殺意を消すことが出来るので、カナンの能力が通じません。では、どうアルファルドと戦うか?そこで鍵となるのが、マリアの存在です。マリアとの関係性を作れたカナンと、師であるシャムに固執したアルファルドの対比が物語が進むにしたがい如実に際立ってきます。この人物の描写が断片的な本人の語りの積み重ねになっているため、本作はやや人物の行動がわかり辛くなっているようです。

主題歌

CANAANの主題歌、特にmind as judgmentはヒットを記録しており魅力的な曲があります。ここからはOP・EDや挿入歌を解説します。

mind as judgment(OP)


mind as judgmentは、CANAANのオープニングテーマです。
飛蘭が歌っています。オープニングの作画と曲調から評価が高いです。
作詞は畑亜貴、作曲、編曲を上松範康が担当しています。

My heaven(ED)


My heavenは、CANAANのエンディングテーマです。
Annabelが歌っています。オープニングと比べる印象が薄いですが、隠れ名曲との声も多いようです。
作詞は畑亜貴、作曲、編曲をmyuが担当しています。

チャイナ気分でハイテンション!


チャイナ気分でハイテンション! は、CANAANの挿入歌です。
劇中のアイドルであるネネ(高垣彩陽)が歌っています。
繰り返し反復する歌詞がクセになる曲です。

作詞は岡田麿里、 作曲は 俊龍が担当しています。

【アニメ】CANAAN(カナン)の評価・感想

CANAANの評価や感想の意見を、いくつかSNSから拾って考察していきます。

CANAANの評価は、10年以上前のアニメですが評価は高いです。
序盤の人物の内面が解りにくいようですが、終盤の展開とガンアクションが評価の決めてになったようです。


作画が評価されています。同クールで放送された化物語に注目が集まってしまったのでは?、という意見もあります。


岡田麿里とP.A.WORKSタッグの初期作品ですが、すでに評価は高いです。ただ、1クールでは人物の描写が消化不良の声もあります。

全体的に評価は高く、特にガンアクションの戦闘シーンの作画を評価する声が多かったです。ただ、登場人物の内面がややわかり難いという声も見かけました。

CANAAN(カナン)は百合・恋愛要素あり?

カナンはかわいい女の子が多く登場するので百合を期待する視聴者も多いと思います。
ここではカナンの百合や恋愛要素についてみていきましょう。

百合

百合
(出典:#4)
百合
(出典:#4)

百合要素を感じる意見は多いようです。
アニメ序盤では、マリアがカナンに対しての憧れている様子が多く描かれています。特に二人でパフェを食べて街中で遊んでいるシーンはデートに見えます。
ですが、カナンが敵の刺客を銃で撃ったシーンをきっかけにマリアはカナンを拒絶します。マリアはカメラマンを目指した理由がカナンである事を思い出し、その後人質になったマリアをカナンが救うことで、二人の離れた気持ちは元に戻ります。
最終的にカナンは、マリアが自分にとって「光」でなくて「友達」である、ことを述べます。マリアは、カナンに憧れているだけではダメでカナンの隣に立てるような自分になりたいと心を新たにします。

恋愛

恋愛
(出典:#5)

主要キャラの恋愛は描かれませんが、ウーアウィルスにより意図せず能力を得たハッコーと、彼女をウィルス研究所から救出したパートナーであるサンタナの、大人の恋愛が描かれます。ですが、残念ながら二人とも自ら望んで死んでしまうので、CANAANにおいて恋愛に溺れるキャラはことごとく不幸になっているように思えます。

CANAAN(カナン)は銃・戦闘シーンあり

CANAANは、銃の細かい仕様の作画や戦闘シーンの作画がカッコイイです。
他の作品と並べて解説していきます。

銃 アルファルド 銃
(出典:越後屋)            (出典:Twitter)
カナンの銃は、ベレッタPx4 Stormを愛用しています。
短銃身化によるコンパクトサイズと多様な口径・弾薬に体用しているというメリットがあります。
アルファルドの銃は、FN Five-seveNを愛用しています。
貫通力の高い弾薬を使用し、種類によってはボディアーマーを貫通するとされています。

戦闘シーン


戦闘シーンは、ガンアクションシーンの評価の声が多いです。
上海の夜を背景に銃撃戦を繰り広げて見応えがあります。ゼロ年代〜10年代の代表的なガンアクションとして、ブラックラグーン、ヨルムンガンドと並べてCANAANを評価する声も多いので、その2作を好きな方にはハマる作品だと思います。

CANAAN(カナン)の漫画・小説・劇場版

CANAANのメディアミックス作品を紹介していきます。

漫画 CANAAN

漫画
(出典:Amazon)
CANAANはコミカライズされ漫画「CANAAN」として発売されています。
作者は石田あきらです。『月刊コンプエース』2009年8月号に「CANAAN 〜プロローグ〜」として掲載され、同9月号より連載開始しました。アニメ版と多少人物・展開が異なっています。

スピンオフ漫画 CANAAN スフィル

CANAAN スフィル
(出典:Amazon)
CANAAN スフィルは、スピンオフ漫画です。
時系列は『428 封鎖された渋谷で』とアニメ版CANAANの間になります。
作者は細雪純です。『Webコミックゲッキン』でも配信されていました。
時系列はアニメ版の前にあたります。リャン・チーとカミングズの出会いと、アルファルがリャンを見限りカナンへの強烈な嫉妬を覚える過程を描いています。

小説 CANAAN

小説
(出典:Amazon)
小説 CANAANは、アニメ版CANAANの内容を再現した小説です。
アニメでははっきりとは語られていない『428』の根幹のネタバレにあたる部分も盛り込んでいます。
作者は杉原智則、イラストは関口可奈味です。角川スニーカー文庫より刊行しています。

劇場版 canaan

劇場版
(出典:はてなブログ)
劇場版 canaanは、テレビアニメ版全13話を3部構成にした内容です。
内容はOPとEDをカットし、1〜4話、5〜8話、9〜14話を同日に上映しました。
放映時期は2009年10月〜11月の期間で、池袋テアトルダイヤとテアトル梅田で上映されました。

CANAAN(カナン)キャラの魅力

CANAANのキャラの魅力について掘り下げていきます。
カナン役の沢城みゆきさんとアルファルド役の坂本真綾さんの対決シーンは今作の最大魅力だと思います。

カナン

カナン
(出典:ameblo)
カナンは、本作の主人公で年齢は20歳です。“鉄の闘争代行人”の通り名で呼ばれています。幼い頃にウーアウィルスのプロトタイプを村に撒かれる事件に遭遇し、証拠隠蔽の村と家族を失います。その際にシャムに拾われ能力を見込まれて戦闘技術を教え込まれます。五感を同時に機能させる「共感覚」を使うことで相手の感情を色として観ることで、戦闘時は相手の次の行動を見抜くことで有利に立ち回ります。また情報空間から人間の思考を追うことで、カナン自身が意味が解らなくても暗号が解読出来る様々な場面で万能な能力を発揮します。基本、単独行動を好み感情の起伏が少ない傾向がありますが、マリアと話している時は同年代相応の女の子の一面を見ることが出来ます。シンプルなものを好み好物は砂糖を固めたスティックシュガーです。

沢城みゆきさんが演じています。沢城みゆきさんは、〈物語〉シリーズの神原駿河役や、ソードアート・オンラインシリーズのシノン役を演じています。
CANAAN(カナン)は2009年のアニメなので沢城みゆきさんの名前が世間的に認知され始めた頃かと思います。今見ると初々しさを感じます。

容姿

髪型は金髪のボブカットで、物語中にウーアウィルスの感染者は髪の色素が抜ける場合があるという情報が出てきますが、カナンの場合は幼少の頃から髪の色は変わらず、作中で唯一ウーアウィルスの影響で容姿が変化していないことから、カナンのキャラクターを象徴しています。

かわいい

カナンがかわいい、という意見は多いようです。
戦闘シーンの射撃の印象が強いですが、御法川が銃撃戦にカナンとマリアを撮影した時に実は、横に写っていたカナンが御法川にピースをしていたことを後に知りカナンの底知れなさを知ります。その後、マリアと御法川の前に現れた時に御法川の詮索をかわす一連のツンデレ感に、何気ないやり取りですがカナンの魅力を表しています。師匠であるシャムと同じ蛇のタトゥーを左腕に彫って痛がるシーンで、何でそんなに痛がるのに掘るんだ?と聞かれた時に、「家族の証だから。」というシーンはカナンのかわいいさが溢れているので、ぜひ観て頂きたいです。

アルファルド

アルファルド
(出典:Twitter)
アルファルドは、犯罪組織「蛇」のリーダーでカナンの宿敵です。カナンより以前にシャムから戦闘技術を学んでおり、同じように左腕に蛇の刺青を持っています。
「カナン」は元々シャムが彼女に付けた名前です。元々は資産家の娘として育ち、
表舞台ではダイダラ社の筆頭株主として高貴な血筋で知られていますが、裏社会ではビジネスとなる生物兵器としてウーアウィルスを使って暗躍しています。
共感覚のような特殊能力を持っていませんが、高い戦闘能力と感情をコントロールすることでカナンの共感能力を封じて苦しめます。
シャムを敬い続けているカナンとは違い、師の存在を抹消したことで強さを保っています。ですが、実際はシャムへのこだわりが捨てられず、カナンとの最終決戦では追い詰めるが「覚醒」したカナンに敗北します。最後は列車から転落しカナンに助けられるも、掴まれた左腕を自らカナンの銃で射ち千切って落下しますが、存命しており、最終話のエピローグでは、新天地にいるカナンのもとに「片腕の女」を倒す依頼が入ります。このエピソードは、シャムの象徴である左腕の刺青を断ち切ることでシャムからの卒業を意味しています。

坂本真綾さんが演じています。坂本真綾さんは、〈物語〉シリーズの忍野忍役や、
機動戦士ガンダムSEED DESTINYのルナマリア・ホーク役を演じています。
坂本真綾さんがストレートな悪役を演じるのは珍しいと思います。しかも、2009年に坂本真綾さんが声を演じたアニメはCANAAN(カナン)のみです。

大沢マリア

大沢マリア
(出典:atwiki)
大沢マリアは、カナンの親友でヘブン出版のカメラマンで年齢は21歳です。
アニメの原作になった『428 〜封鎖された渋谷で〜』の劇中で、ウーアウイルスに感染し、父の大沢賢治から与えられた抗ウイルス剤で救われた過去があります。そのころの記憶は失っています。学生時代、中東へ旅行に行った際に暴漢達に囲まれらたところをカナンに助けられたのが二人の出会いです。
アニメ本編では、上海にて「蛇」との戦いに巻き込まれ、「蛇」の人質と刺客に捕まりカナンを誘き出す道具にされますが、実はその刺客に殺意は無く、そのことをカナンに伝えられず、カナンは刺客を射殺します。このエピソードで、マリアは友達だったカナンを拒絶し、カナンはマリアの感情の変化を共感覚で「視る」ことでマリアの拒絶を深く受け止めてしまい、二人は離れます。その後二人は和解をしますが、マリアは物語中盤で、各国首脳と共に再び人質になります。アルファルドは米国と共謀しステルス爆撃機による爆弾投下を試みますが、カナンが共感覚を最大限発揮することでGPSをハッキングし爆弾の軌道を逸らすことで、間一髪マリアを救い出します。ですが、その反動でカナンは共感覚を一時的に消失します。終始カナンに救わればかりのマリアですが、終盤でカナンの「覚醒」のトリガーとなります。最終決戦においてアルファルドはマリアに発砲し瀕死の重症を与えます。カナンに怒りや殺意の感情を覚えさせて、シャムを失った時と同様の傷を与えようとしますが、カナンはマリアを助けずに信じ抜くことで正気を保ち、その結果共感覚能力を飛躍的に向上させアルファルドを倒しました。

御法川実

御法川実
(出典:atwiki)
御法川実は、ヘブン出版の依頼でマリアと共に上海を訪れたフリーライターです。
アニメの原作になった『428 〜封鎖された渋谷で〜』の主人公の1人です。
一流ジャーナリストとして世界に認められることを夢に日々スクープを追っています。マリアがカナンと距離を置いたときは何も問わずにレストランで上海蟹を頼み、自身は支出を惜しんで水で済ますエピソードから面倒見の良さが伺えます。『428 〜封鎖された渋谷で〜』ではスクープを追う猪突猛進なキャラクターですが、アニメではカナンやマリアのマイペースなキャラクターに振り回される苦労人なイメージが強いです。

ハッコー

ハッコー
(出典:はてなフォトライフ)
ハッコーは、無口で物静かな美女です。まったく喋らないため、御法川は最初彼女話すことが出来ないと思っていましたが、実は彼女は「蛇」とCIAのウーアウイルス実験の犠牲となり、ウーアウイルスの影響で自身の声により相手の脳髄に影響を与える特殊な能力を持っています。この声は強い殺傷力を持っており、囁き声でも周囲の者に甚大な被害を及ぼします。
終盤、リャンの罠にかかり発声でパートナーのサンタナに致命傷を与えてしまい、死を悟ったサンタナの求めに従い「愛してる」と告げますが、その声で彼は絶命します。崩落する敵地で愛する男性を失った彼女は、助けに来たカナンに応じず拒否。息を引き取ったサンタナと最期を共にしました。

リャンチー

リャンチー
(出典:所詮)
リャンチーは、「蛇」のメンバーの女で表向きはダイダラ社の社長秘書です。
ダイダラ社の社長カミングスは「蛇」の部下にあたります。
アルファルドを病的なまでに愛しており、彼女を「姉様」と呼びますが、アルファルドからは相手にされていません。玩具の拳銃をを常に所持していて、アルファルドに無視をされるとBB弾でカミングズを撃ち、リャンチーを愛するカミングズが喜ぶ。というシーンが劇中に何度も出てきます。
元々性格が破綻しており、アルファルドの「愛」を得ようとせんがため死んだはずのシャムの名を騙った偽の手紙で彼女を誘き寄せ、CIAに捕えられたところを救出する自作自演を工じるなど滅裂な行動を取った。そのためアルファルドに見限られます。物語が進むに連れて性格の破綻は酷くなり、アルファルドに殺されることを望みますが拒絶され、実験段階の共感覚を得る薬を自ら飲み、その作用で髪の色が抜けた鏡に映った自分の姿を「カナン」だと思い込むほどに錯乱します。カミングスに鏡に映った「カナン」を撃つように命じ、最後はカミングズの腕の中で息を引き取ります。

シャム

シャム
(出典:fc2)
シャムは、カナンとアルファルドに戦闘技術を教えた傭兵の男です。アニメの原作になった『428 〜封鎖された渋谷で〜』のカナンの回想パートで、アルファルドに殺されます。アニメ本編でも回想パートのセリフをカナンが何度か振り返るシーンが度々出てきます。カナンとアルファルドに与えた影響は大きく、シャムが最後にアルファルドに発した「お前は戦士として無敵だが、目的のためではなく個人としての欲望を持てば孤独(死)が訪れる。」の言葉は、その後のアルファルドの行動を決定づけることになります。最終的にアルファルドは、シャムの象徴である蛇のタトゥーの入った左腕を断ち切ります。エピローグにおいて、アルファルドが生きていてる描写が入ることで、彼女がシャムから卒業が出来たことを思わせるシーンが入ります。

CANAAN(カナン)の続編・2期は?

アニメは人気だったCANAANですが、続編や2期はあるのでしょうか?その理由を考察していきたいと思います。結論から言うと、ゲーム原作の続編エピソードとしてアニメ版は作られたので続編は難しいと思います。

理由1.原作ストック

もともとCANAANの当初のタイトルは『428 the animation』でした。原作の「カナン編」のエピソードがカナンとアルファルドの関係を掘り下げた内容になっていて、アニメは両者の決着に焦点を当てた内容になっています。アニメ終盤でアルファルドのカナンへの執着が一区切りがついたことで、ゲーム原作の補完としての役目を達成しています。なので、CANAANのエピソードに後日談を加えるのは難しいと思います。ただ、型月作品なので作品をクロスオーバーするFGOのようなコンテンツであればコラボイベントの可能性はあり得るかもしれません。

理由2.円盤売上

続編制作に最も影響するのが、円盤売上の累計平均枚数と言われているようです。累計平均枚数とは一枚DVD、BDの一巻あたりの累計販売枚数のことです。ネット上では5000枚以上が続編のボーダーラインとなる声が多いようです。CANAANの累計平均枚数はおよそ3000枚なので、続編制作の可能性は難しいと考えられます。

(参考:http://www.someanithing.com/JP_DVDBD_WIKI/2009/CANAAN.html)

CANAAN(カナン)の名言・名シーン

ここではCANAANの名言と名シーンを背景となるストーリーと並べて解説していきたいと思います。アニメ未視聴の方はもちろん、アニメを観たけどイマイチキャラが何を考えていたのかよく分からなかった、という方も前後のストーリーを踏まえるとCANAANのキャラクターの奥深い魅力を知ることが出来ると思います。

銃はシンプルだ。引鉄を引けば決着が着く。人間同士の複雑さはない

銃はシンプルだ。引鉄を引けば決着が着く。人間同士の複雑さはない

カナン「銃はシンプルだ。引鉄を引けば決着が着く。人間同士の複雑さはない。
(出典:2話)

このセリフは、カナンがアルファルドの救出を聞いた時のシーンです。
CIAに捕らえられたアルファルドが「蛇」のメンバーに救出されます。
カナンは、その報せを依頼人である夏目より聞き、その内容に対して呟いたセリフになります。つまり、アルファルド程の実力者がCIAに捕まるはずが無く、カナンは捕縛から救出までの一連の流れに、何らかの意図を感じ取ったことを暗に述べているシーンであることを意味しています。
その後カナンは夏目に対して「貴方、友達居る? 私は居る。」と言います。
カナンにとっては、戦場の駆け引きより銃のシンプルさが好ましく、さらに友達との関係の方が、より重要であることを示すシーンです。戦闘能力の高いカナンが、中身まで戦場に染まっていないことをあらわしています。

憎しみに憎しみで当たっても意味がない

憎しみに憎しみで当たっても意味がない

シャム「憎しみに憎しみで当たっても意味がない。 憎しみには義務で当たらなければ救われない。憎しみは何も生み出さない。」
(出典:4話)

このセリフは、マリアに拒絶されたカナンが生前のシャムの教えを追想するシーンです。カナンは追想の理由を言葉にしませんが、兵士として敵を殺すことにビジネス以上の意味は無い。とカナンが自分に言い聞かせている考えられるシーンです。
この追想シーンは、故人であるシャムの人物像と、カナンとシャムの関係を視聴者に示す大事なシーンです。実は原作『428 〜封鎖された渋谷で〜』でも、同じ追想シーンがテキストで語られていました。ゲームをプレイした方にとっては、アニメで再現されることで、ニヤっとするシーンでもあります。

愛とは厄介なものだな

愛とは厄介なものだな

アルファルド「愛とは厄介なものだな。」(出典:11話)

このセリフは、リャンチーが死んだ時のシーンです。
アルファルドは自分を慕っていたリャンチーを手駒として扱ってきました。リャンチーはアルファルドが自分への興味を全く示さず、アルファルドにとって宿敵であるカナンに対して嫉妬を向け始めます。終盤、リャンチーは錯乱しアルファルドに殺されることで、愛を受けようとアルファルドに対決を願いますが、アルファルドは勝負の途中で気持ちが失せてしまいます。結局リャンチーの命を絶ったのは、彼女への愛に報いたカミングスでした。このシーンは、アルファルドが自分の部下達の状況を、愛を向けた相手を最終的に殺すことで自分の所有欲を満たしているように感じとった、と考えれます。ですが、このセリフの直後モニターに映ったカナンに視線を向けることで、もしかしたら自分も同じなのでは?、と考えるシーンです。

カナンは私だ!

カナンは私だ!

アルファルド「カナンは私だ!」(出典:12話)

このセリフは、カナンとアルファルドの最終決戦時のシーンです。
この後のカナンとのやり取りで、アルファルドがシャムを殺した理由は、任務では無くて自分の意思だった、と述べています。作中においてカナンには「希望」の意味が込めれています。アルファルドは、シャムから貰った「カナン」の名前を名乗るのは唯一自分だけと考えていました。つまり「カナン』の名前を奪われたこと、シャムが死んだことも全てカナンが悪いと考え、カナンには「絶望」の名前が相応しいと考えます。「カナンは私だ!」には、アルファルドのこの様な心情が込められています。

シャムが死んだ時点で、お前の心は死んだ!

シャムが死んだ時点で、お前の心は死んだ!

カナン「シャムが死んだ時点で、お前の心は死んだ! でも私は違う。 私はあの日で止まっていない!生きている者として命令する。 お前をこれ以上死なせない!!」(出典:13話)

このセリフは、列車から落ちるアルファルドの腕をカナンが掴むシーンです。
カナンは共感覚を使って相手の感情を「色」で視ることが出来ます。
ですが、アルファルドの感情の色が他の人間と違うことにずっと疑問を抱いていました。アルファルドの腕を掴んだ時、その理由は「すでに死んでいるからだ」と述べます。シャムを失った日と同じ日を繰り返すくらいなら、アルファルドであっても救いたい、とカナンは言います。アルファルドは過去に固執していたのは自分だけであることに気づき、カナンはとっくにシャムから卒業していたことに気づきます。そして、アルファルドはカナンと同じ刺青が入った左腕をカナンの銃で撃ち抜き、鉄橋の下へと落ちていきました。

現世への未練の形です

現世への未練の形です

カミングス「現世への未練の形です。」(出典:13話)

このセリフは、エピローグで出家したカミングスが僧に呟いたシーンです。
アニメ序盤からカミングスは、リャンチーのストレスの吐け口としておもちゃの拳銃のBB弾を浴び続けていました。リャンチーに盲目的な好意を抱いていたカミングスは、BB弾で撃たれることに密かな喜びを感じていました。
エピローグにおいて、頭を丸めたことで一見誰かわからない人物が多くの僧と一緒に歩いています。ふと、その人物は歩みを止めて何かを拾いあげます。一人の僧が気づき尋ねます。すると、その人物は木の実を拾い上げて呟きます。
視聴者はその人物がカミングスであることに確信し、木の実をBB弾に見立てる様子から、出家しても懲りていないカミングスのリャンチーへの想いが伺えるエピローグに相応しいシーンです。

CANAAN(カナン)の同人誌

ここではCANAANの二次創作物に触れてみたいと思います。

同人誌

残念ながら同人誌は見つかりませんでした。
CANAANは魅力的なキャラクターが多いので、意外でした。
もしかしたら、今後FGOとのコラボ企画が実現したとしたら、人気が再燃して同人誌の発表もあり得るかもしれません。

SS

同人誌は見つかりませんでしたが、SSはいくつか見つかりましたので紹介したいと思います。

「因縁と偶然と」
ウルトラマンオーブとCANAANのクロスオーバー短編です。
時系列としては、カナンとアルファルドのアニメ最終回後です。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9327707

「Dear My...」
クリスマスを舞台にしたストーリー。
登場キャラの敵対関係は横に置いといて、ほっこりする内容です。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3206287

「なんとなく、もしもどこかで。」
空の境界とのクロスオーバー作品。時系列的には未来福音あたりです。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=3091208

「…とあるモブの話/staaynight」
Fate/staynightとのクロスオーバー作品。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=1295262#2

CANAAN(カナン)の壁紙

CANAAN(カナン)の壁紙をまとめました。

CANAAN1
(出典:Twitter)
CANAAN2
(出典:fc2)
CANAAN3
(出典:Amazon)
CANAAN4
(出典:Twitter)
CANAAN5
(出典:wallpaperbetter)
CANAAN6
(出典:wallpaperbetter)
CANAAN7
(出典:Twitter)
CANAAN8
(出典:wallpaperbetter)
CANAAN9
(出典:fc2)
CANAAN10
(出典:wallpaperbetter)
CANAAN11
(出典:Pinterest)

まとめ

本記事のまとめです。アニメ『CANAAN(カナン)』を『428 封鎖された渋谷で』とTYPE-MOONの繋がりを踏まえながら、キャラクターの魅力、戦闘シーンについて解説してきました。『CANAAN(カナン)』は、今改めて見ても非常に豪華な声優陣と制作陣によって作られた作品で、特に終盤の戦闘シーンは必見です。
もしこの記事で魅力を感じることが出来、興味を持ったのなら、一度『CANAAN(カナン)』という作品に触れて見ると良いのではないでしょうか。

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