新海誠作品は、全ての作品において「テーマ」をしっかり定めており、どの作品も一度観たらその世界観に一気に惹き込まれてしまいます。
この記事では、『天気の子』や『君の名は。』は知ってるけど他の作品はどんな作品があるのか?
”今から初めて新海誠作品を観ようと思っている人”、”全て観たことある人”等により一層楽しんでいただけるよう、おすすめポイントやおおまかなあらすじを紹介しつつランキング形式でまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。
新海誠監督作品とは
新海誠作品は奥が深く簡単に説明するのは不可能ですので、わかりやすく要点をまとめて解説していきます。
新海誠作品の魅力について
やはり、新海誠監督にしか描けない美しい映像描写とストーリーの緻密さが1番にあげられます。
それは全作品を通して「新海ワールド」とも称されるもので、新海誠監督にしか描けない唯一無二のオリジナリティー溢れる作品だということ。
美しい映像と共に緻密に考えられた物語とテーマ、その全てが一つになりこのような数々の素晴らしい作品が出来上がったんだと思います。
更にもっともっと掘り下げて紹介していきます。
新海誠監督が描く映像美の世界
新海誠監督の作品はどれもリアリティー溢れる映像美で、それは一重に背景をよりリアルに感じる事はないでしょうか?
特に風景の繊細な描写は新海誠監督が1番気持ちを込めて描いているようで、自身が思春期の時に「風景の美しさに救われ励まされた」という経験から、そのような感覚を映画にも込められたらという思いで描かれたみたいです。
実物と見間違えてしまうような鮮明な美しい背景がより一層物語をリアルにし、観ている人を一気にその作品の世界へと引きこんでいきます。
日本のアニメーション技術は世界でもトップクラスですが、新海誠監督の描く作品はその中でも多くのアニメファンならず世界からも評価されているくらいです。
少年と少女の切ない恋愛
そして、繊細な映像技術も大きな見どころですが「切なくもどかしい」ストーリーも新海誠監督作品の特徴で、特に『少年少女の切ない恋愛』をテーマに描かれている作品が多いです。
この後ランキングにも紹介する『ほしのこえ』『雲のむこう、約束の場所』『秒速5センチメートル』は、どれも主人公の心の“距離感”を速さや時間というもので表現したテーマで、他の恋愛作品ではちょっと味わえないような作品になってます。
観ていて切なくなる作品多いのですが、大ヒットした『天気の子』『君の名は。』みたいに大規模な世界観の中での恋愛のお話も、新海誠監督ならではしか描けない作品となっています。
新海作品は映画だけではない
新海誠監督は実は映画以外にもCMから短編アニメまで数多くの映像作品を手がけていて、そのほとんどが新海誠監督のオリジナル脚本で作られています。
デビュー当初はどちらかといえば短編作品のほうが主流で、たまに企業CMを手がけていてそのほとんどが、監督から脚本・演出・編集一人でやり遂げて作られていました。
それ故に、魅力にせまるという解説でも触れた「新海ワールド」と称される程の作品へとなっていったのではないでしょうか。
完成度の高い物語に加え、登場人物やその世界感をリアルに美しく描き出すことで作品のキャラクターが数秒しか出てなくても、その中で生きている気がしてそれは映像の長さに比例してない事を実に作品をもって証明してくれいます。
どんなに短い作品でも決して手を抜くことなく、どれも全力で作りあげていく、それが新海誠監督です。
この記事を期に映画以外の過去の作品も色々観てみるのもおすすめです。
そして、本当の自分自身のベストワンを決めれるのではないでしょうか?
ランキングにも短編作品から長編作品までわかりやすく紹介しています。
新海誠監督作品のおすすめ人気ランキングTOP10
どの作品も圧倒的な映像美と独創性の高い物語で引きこまれるのは間違いないのですが、もっとわかりやすくもっと「新海ワールド」を楽しめるようにランキングで紹介します。
第10位:遠い日2007Ver.2
(出典:新海誠作品ポータルサイト)
- 放送日:2007年9月
- 制作会社:信濃毎日新聞
- (テレビCM)
- U-NEXTの配信:なし
長野県内で放送されたテレビCM作品で、「遠い日2007Ver.1」編と「遠い日2007Ver.2」編があります。
たった15秒の映像ですが、大切な相手に思いを伝えようとする少女の姿がとてもリアルに表現されており、思わずこの続きがどうなったのか知りたいと思ってしまいます。
新海誠監督は長野県出身ということもあり、長野の自然豊かな背景がとても美しく描かれてます。
故郷の風景をモチーフにされているだけあって、1つ1つの背景が繊細に表現できている愛のある特別な作品になっています。
この作品の設定は、営業用として世界初のハイブリッド車両の電車を試験的に導入した小海線に乗る父を自転車で追う娘になっています。
娘が列車に乗り込む父に「お父さんと」叫ぶのですが、これがなんとも言えない切ない描写でたった15秒しかないのに泣きそうになります。
この映像にはタテタカコが歌う「遠い日」という曲が流れているのですが、これ以上にないくらい作品とマッチしており、切ないけどなんだかちょっとあったかい気持ちにさせられます。
父と娘の親子の絆をたった15秒で表せるのも新海誠監督ならではの映像マジックだと思います。
主題歌を歌ってるタテタカコも新海誠監督と共に長野県出身ということもあり、両者が思う故郷愛の力作となってますので、15秒しかありませんが是非おすすめします。
第9位:だれかのまなざし
(出典:新海誠作品ポータルサイト)
- 放送日:2013年2月
- 制作会社:野村不動産グループ
- (短編作品)
- U-NEXTの配信:なし
この作品は「家族の絆」「未来」という大きなテーマをコンセプトに作られており、
野村不動産グループによる「プラウドボックス感謝祭」でシアター映像として発表されたものです。
映像時間わずが6分40秒ですが「さすが新海誠監督です」の一言につきるような作品に仕上がっており、脚本から演出まで全て新海誠監督が手がけただけあって圧巻の短編作品です。
この短い映像時間で、主人公の「あーちゃん」の成長と「家族」のあり方というのをしっかりと描いていて、何てことない日常の風景や出来事さえも心をつかむような演出で、途中で流れる主題歌『それでいいよ』を歌う和紗の優しい歌声も相乗効果で泣けてきます。
この物語は父と娘に焦点をあてており、成長と共にだんだん父に甘えたり本音を漏らすのが恥ずかしくなっていきすれ違う娘の気持と、そんな娘の気持ちを思って遠くからただ見守っている父の娘を思う気持ちがリアルに描かれています。
この作品を観て、きっと「家族のありがたみ」や「家族の絆」を感じることができると思います。
ポイントとしては、「未来」もテーマになっているので至るところに「未来」を感じるアイテムや映像を発見するのも面白いと思いますし、この後にも紹介する「言の葉の庭」に登場するシーンと同じ場所も登場するのも必見です。
制作がほぼ同時期だったこともあり起用されたみたいで、ファンにとっては得した気分になる作品です。
永遠に同じではなく、日々変わっていってしまう日常に人は成長していき大切な人との「出会い」や「別れ」を経験し、また一歩と新しい日常を踏み出し心の在り方で「未来」を輝かしいものに変えていけるのかもしれないと思えます。
そんな風に思わせてくれる、ちょっと大人には泣けてくるような感動の素晴らしい作品となってますので、是非おすすめです。
第8位:彼女と彼女の猫-Everything Flows-
(出典:彼女と彼女の猫EF製作委員会)
- 放送日:2016年6月
- 制作会社:彼女と彼女の猫EF製作委員会
- (アニメ)
- U-NEXTの配信:あり
「彼女と彼女の猫-Everything Flows-」は、新海誠が自主制作時代の2000年に発表した5分弱しかない短編作品「彼女と彼女の猫」を原作として作られた全4話のアニメです。
4話合わせても30分足らずしかありませんが、短い映像時間でたっぷりとその世界に引きこんでいく素晴らしい作品となってます。
この物語は彼女に拾われた猫の視点を通して描かれており、彼女とは猫からみた飼い主さんのことで、猫と彼女のあったかい絆をハイクオリティな映像と詩情豊かな演出と共に楽しんで観ていただける作品です。
自分の気持ちを人に上手く伝えることができない不器用な彼女(飼い主)と、そんな不器用な彼女をそばでずっと見守り続ける猫の「ダル」(彼女の猫)。
猫のダルが思ってることを詩的なナレーションで語っていて、実際に猫ってこんなこと思ってるかもしれないというようなことあったりして面白いです。
“ダル”と“彼女”の通じていそうで通じてない描写なんかもリアルで、見ていてなんかあったかくなったり時には切なかったりして心をつかまれます。
“彼女”が子供の頃に“ダル”を拾った時の出会いの話から、年老いてしまった“ダル”が“彼女”に何かできないかと模索している描写は、一緒に過ごした時間と共に“ダル”と“彼女”の信頼関係や絆を感じることができじんわりと温かくなります。
更にこの作品に花を添えるのは“彼女”の声優をしている「花澤香菜」の美しくかわいらしい声がとても心地よく“彼女”という人物をそれ以上にないというくらいバッチリ表現されてます。
あとは、流れてくるピアノがシーンにすごくマッチしていて心にしみます。
ポイントとしては、最後の部分で元になった原作のお話につながっていき、そこに出てくる猫の声を「新海誠」本人が行ってます。
その猫はこの後に紹介する「秒速5センチメートル」に出てたりして、そうゆう繋がりを発見しながら楽しんで観てください。
第7位:天気の子
(出典:天気の子公式)
- 放送日:2019年7月
- 制作会社:「天気の子」製作委員会
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
大ヒットした「君の名は。」から3年ぶりとなる作品だけあって、全世界の人達が待ち望んだ新海誠監督7作目の劇場用アニメーション映画「天気の子」です。
多くの期待の中、東宝配給作品史上最大級の359館448スクリーンの規模での公開となり「君の名は。」に続き大ヒットを記録しました。
そんな「天気の子」の内容は、ポスターを見ただけでもわかるとおりハイクオリティーな映像でこんなに背景の光と水の演出が美しいと感じてしまう作品はないのではないかと思います。
この作品は、「天気の子」というだけあって“天気”にスポットを当てているので新海誠監督がもっとも得意な風景・背景が天気と共に鮮明でリアルに描かれており、雨のシーンから晴れになっていくシーンと息を飲むような素晴らしい映像の場面が多いです。
この作品にはキャッチコピーがあり「これは、僕と彼女だけが知っている、世界の秘密についての物語」と、とても妄想をかきたてる神秘的なストーリーだというのがわかります。
「晴れを願う人の想いを叶えていく」という夢のあるとてもいい話ですが、それだけでは終わらない部分もあり物語りは思わぬ方へと進みだします。
信頼していても皆それぞれ抱えてるものがあって、大切な人だからこそ簡単には思っている事を伝えることができないのが現実で、そんな人生の葛藤が上手く描かれてます。
お天気も気になりますが、主人公の家出して東京に出てきた”帆高”とお天気娘の“陽菜”の恋愛模様も最後まで気になるロマンスとファンタジーが織り交ざった超大作です。
ポイントは、「君の名は。」の後の作品ということもあり、なんとそのキャラクター達が登場します。
どこで登場するかは見てのお楽しみです。
「天気の子」は声を担当している方々が超豪華になってまして、脇役で「小栗旬」「本田翼」などの人気俳優が参加してます。他に誰が声の担当をしてるのかも気にしながら観るのも面白いです。
音楽は「君の名は。」に続いて“RADWIMPS”が担当してますので、映像のクオリティーと音楽の演出も楽しめるので是非おすすです。
第6位:言の葉の庭
(出典:言の葉の庭公式)
- 放送日:2013年5月
- 制作会社:新海クリエイティブ
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
「言の葉の庭」は、新海誠作品で初めて『恋』の物語と銘打っており、万葉集を引用しているだけあってとてもロマンチックな作品となってます。
そして、注目すべきなのは主人公の男女の他に『雨』も3人目の主人公といっていいくらいこの物語にはかかせない存在です。
『雨』をこんなに美しく映像で表現できるのはこの新海誠監督以外いないような気すらします。
普通に考えたら雨はなんだかちょっと嫌われ者じゃないけど人間の心理としてテンション下がってしまいがちだと思いますが、 この作品ではむしろ『雨』が降ってくれないと少しだけ残念な気持ちになるという不思議な物語です。
作品を観てないとどうしてそんな気持ちになるかは理解できないかもしれませんが、主人公の2人と雨のシーンがとにかく美しいのです。
新海誠監督は背景をよりリアルに描かれることで有名で、実在する場所を鮮明にアニメーションで再現されてて『雨』が降ったらこんな風に景色が変わるんだと納得させられる映像になってます。
物語は、靴職人を目指す高校生の“タカオ”と、どこか訳ありな雰囲気の大人の女性“ユキノ”が『雨の日』の園庭のベンチで出会ったとこから美しく物語りは進みだします。
『雨』が2人の気持ちを表すかのように色んな降り方で演出して描いているのも必見で、より一層 ストーリーに惹き込まれていきます。
年齢の差がある2人の想いはどのように『恋』へと進展していくのか、見守りたくなるそんな作品です。
この作品の見どころは、やはり『雨と風景』の描写が素晴らしくアニメーションではないんじゃないかと思うくらいの映像美です。
2人の恋の行方も気になりますが背景にも注目してみていただくとより一層楽しめると思います。
そして、エンディングで流れる“秦基博”が歌う「Rain」という曲が最後の最後で泣かせてくれます。
映画としては40分少々の短い作品ですが、最後までしっかりと作りこまれています。
雨の日、ちょっと憂鬱になった時に観ていただくと心が晴れるそんな作品ですので、是非おすすめです。
第5位:秒速5センチメートル
(出典:秒速5センチメートル公式)
- 放送日:2007年3月
- 制作会社:新海クリエイティブ
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
この作品は劇場公開用なのですが、なんと3部から構成されている連作短編映画です。
『桜花抄』『コスモナウト』『秒速5センチメートル』という短編3話の連作構成で描かれていて、登場人物がひとつにつながる作品になってます。
テーマは「時間」と「距離」により男女の惹かれ合っていた心の変化を見事に描いており、これぞ青春というような物語になってます。
誰しもこんな経験が一度はあるのかもしれないので、見ていて胸が熱くなるような気持ちになったりするかもしれません。
本当の恋愛もきっと全てが順調に進むことなんてほとんどないと思うので、誰しもが共感できるのではないでしょうか。
1話目の『桜花抄(おうかしょう)』からすべては始まるのですが、その主役の“貴樹”が3話ともにつながって出てくる主な登場人物になります。
この『桜花抄(おうかしょう)』という物語は、本当に傑作だと思います。
新海誠以外にこんなに物語の中の「時間」をうまく使えているアニメーション監督はいないのではないでしょうか。
ただただ、この話の主人公の“貴樹”と「時間」を一緒に待って不安になったりドキドキしたりしてしまいます。
転校して離れ離れになった“貴樹”とヒロインの“明里”の小学生の頃の淡い恋を時と共にドラマチックでとてもリアルに描いた作品です。
2話目の『コスモナウト』は主人公が変わるのでまったく違う話なのかなと一瞬思うのですが、『桜花抄(おうかしょう)』で主人公だった“貴樹”が登場します。
この話の主人公の“花苗”と1話目の主人公の“貴樹”がどのようにかかわっていくかも楽しみの1つです。
3話目は、この映画のタイトルにもなってる「秒速5センチメートル」です。
再び“貴樹”が主人公として描かれていますが、3作通して“貴樹”がどんどん成長していっているのでこのお話ではすでに社会人になってます。
小学校の初恋から現在に至るまでの“貴樹”心の成長がしっかり描かれており、この映画自体は3作に分かれていますが、全部観ないとわからないようになってます。
見どころとしては、やはり3作品とも映像がノスタルジックで素晴らしく、四季を本当に美しくよりリアルに描いています。
新海誠作品で四季を感じれるのはきっとこの作品だけではないでしょうか。
1つの作品でこれだけ変わりゆく風景の映像を堪能できるということもあって「秒速5センチメートル」是非おすすめです。
ちなみにこの作品のタイトル「秒速5センチメートル」とは、桜の花びらが舞い散る速度を表しているのだそうです。タイトルまで演出されてて美しいです。
第4位:君の名は。
(出典:君の名は。公式)
- 放送日:2016年8月
- 制作会社:「君の名は。」製作委員会
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
新海誠作品、今まで知らなった人も「君の名は。」は世界中でブームとなったくらいですので知らない人はいないかという作品です。
もしかしたらまだ見てないかたもいらっしゃるかと思いますので大まかな内容とポイント解説できればと思います。
東京に暮らす少年・瀧(たき)と飛騨の山奥で暮らす少女・三葉(みつは)の二人に謎の「入れ替わり」という現象が起こります。
その「入れ替わり」が序盤にRADWIMPSの曲にのせてコミカルかつスピーディーに描かれており、最初からワクワク感が止まりません。
冒頭はすごく楽しい雰囲気で、これから起こる大きな問題が待っているなんて欠片も思わないです。
「入れ替わり」と1200年ぶりに地球に接近するという「彗星」をめぐる出来事というのが大きな話の流れで、もう途中からはワクワクしていたのがハラハラに変わります。
ストーリーも今までにないくらい複雑で膨大でアニメーションとは思えない構成になっており、最後まで目が離せないストーリー展開に終始釘付けです。
やはり恋愛の要素はもちろん欠かせませんので、「入れ替わった」2人がお互いの存在を確かあいそれが恋へといつの間にか進展していくのですが、想えば想う程ただただ「切ない」です。これこそ「すれ違い」の究極かもしれません。
「すれ違い」の究極でも、瀧(たき)と三葉(みつは)の恋が成就するのか新海誠監督の考えた結末を信じたくなります。
この作品のポイントは、映像と音楽の融合でしょうか。
「君の名は。」はすべての音楽をRADWIMPSが担当しており20曲以上の曲をこのために作り上げています。
製作の初期段階から作品に携わっているだけあって、作品のイメージにピッタリなより良いもの仕上がってますので、映像と音楽が重なった時に最高の演出効果がみられます。是非、その瞬間を体感していただきたいです。
あと一つ、先に紹介した「言の葉の庭」のユキノさんもこっそりと登場してますので「言の葉の庭」を観た人はお見逃しないようにです。
「君の名は。」は、まだ見ぬ未来や希望や運命を信じてみようかなと思わせてくれるそんな作品ですので是非おすすめです。
君の名は。は以下の記事でも解説しています。
第3位:雲のむこう、約束の場所
(出典:雲のむこう、約束の場所公式)
- 放送日:2004年11月
- 制作会社:新海クリエイティブ
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
「雲のむこう、約束の場所」は新海誠監督初の長編アニメーション作品です。
それまではCM用の映像や短編ばかり手がけていたので、初めての長編アニメということもありどんな作品か気になるところです。
この物語りの舞台は“もうひとつの戦後の世界”という設定になっていますので、最初に状況を理解するのに集中して観るので、一気に物語に引きこまれていきます。
一見難しそうなお話に感じますが、このお話も恋愛が大きく関わっているのでその恋の行方がどうなるのかを楽しみながら観るのがいいと思います。
この物語の主となる登場人物は中学の同級生の浩紀と拓也と佐由理の3人で、ある事がきっかけで共通の秘密ができ仲良くなります。
そして3人の中がどんどん深まり「約束」が交わされるのです。
佐由理が興味をもっているヴェラシーラという飛行機が完成したら、浩紀と拓也がずっと憧れていた異国の大地にそびえる塔に佐由理を連れて行くというものです。
果たしてその約束を守ることができるのかは、作品を観て確かめていただきたいと思います。
タイトルの「雲のむこう、約束の場所」というものに大きな意味が込められていることを新海誠監督が語っています。
「雲のむこう」という言葉には、登場人物たちの前向きな意志が込められていて、“今ではない”、“ここではない”、彼らが目指すその先に「約束の場所」があるということのようです。実に深いですね。
その意味を踏まえて彼らは「約束の場所」に辿り着くことができたのかを、見どころとして観ていただくことをおすすめします。
この作品の舞台は架空の世界なのですが、青森県のJR津軽線の施設や沿線をモデルとして使用しているので、津軽海峡を走る列車なんかもリアルに描かれて登場します。知ってる風景を探すのも楽しく鑑賞するポイントになります。
第2位:ほしのこえ
(出典:アニメイトタイムズ)
- 放送日:2002年2月
- 制作会社:コミックス・ウェーブ
- (短編映画)
- U-NEXTの配信:あり
『ほしのこえ』は監督から脚本・演出・作画・美術・編集のほとんどを、新海誠が一人で行なった上映時間25分の短編映画となっています。
短編といえども内容の濃い素晴らしい作品で、さすが新海誠監督だと思ってしまいます。
物語は携帯電話のメールをモチーフに、宇宙に旅立った少女と地球に残った少年の遠距離恋愛を描いた作品です。
ここだけ文章で見ると美しい恋愛ものと思いきや、完全にSF作品です。しかもSFロボットというくくりになるかもしれません。
上映時間25分の中にみっちりお話が詰め込まれているのですが、これで何か足りないと思った部分があればそれは観た人の妄想や想像で埋めていくとこであって足りない訳ではないという事です。とても奥が深い作品です。
「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ。」
このキャッチコピーからわかると思いますが、とても切ないです。
新海誠監督が作り出す架空の世界の話は、どこから発想を得て作品にしているのかわからないくらい独特な設定となっていて、『ほしのこえ』の舞台も現実にはありえない設定とストーリー展開に驚きさえ感じます。
そんな新海誠ワールド満載な『ほしのこえ』を、どんな風に感じとることができるのかがある意味、作品を観る楽しみになるのではと思います。
見どころは、新海誠作品でなかなか見ることができないロボットものということもあり臨場感あふれる戦闘シーンと鮮明な宇宙の映像は圧巻です。
そして、なんと主人公の“美加子”をひっそりと思っている準主役の“昇”の声を新海誠監督が担当しています。
普段の新海誠作品では味わえない要素たくさんありますので是非おすすめの作品です。
第1位:星を追う子ども
(出典:星を追う子供公式)
- 放送日:2011年5月
- 制作会社:コミックス・ウェーブ・フィルム
- (映画)
- U-NEXTの配信:あり
この「星を追う子ども」は、これまでの新海誠作品とはかなり異なる作風となっていて、一瞬本当に新海誠作品なのかなと思ってしまいます。
そんな心配もよそに、やはり深海誠ワールド炸裂で美しい映像美と壮大なストーリーはそのままです。
今回は作品の作り方を変えてみたとのことで、日本の伝統的なアニメの作り方という方法で完成させた作品みたいです。
ちょっといつもと違う新海誠作品を見てみたいという人にはかなりおすすめです。
物語は、母と二人で暮らす少女“明日菜”を主人公にお話が進んでいきます。
他の作品に比べてファンタジー要素が強い作品で、アクションシーンもふんだんに取り入れられており、序盤から衝撃的なストーリー展開になってます。
ある出来事をきっかけに“明日菜”は冒険をすることになっていきますが、冒険の先「アガルタ」という地下世界という架空の場所が登場します。その設定の細かいことときたら驚きです。
地下世界なのに大自然と、神々が乗る船「シャクナ・ヴィマーナ」というものが空に浮かんでおり、幻想的な風景がとても美しく描かれています。
新海誠作品でただの冒険ものではないのは説明しなくてもわかると思うのですが、
主人公の“明日菜”が後に大切な存在だと思える“シュン”と出会い、ある出来事がきっかけで「切ない」想いを虐げられるのですが、希望を胸に“明日菜”が前に進んでいく物語となっています。
見どころは、実は新海誠さん本人が公言されているとおり「ジブリ作品」との類似というとこです。
これは監督が、「意図的に自覚的にやっている部分がある」と発表してますのでそのあたりを見つけながら鑑賞するのも面白いと思います。
新海誠作品の中でもたくさんの異例な要素が盛り込まれている「星を追う子ども」、色んな視点から観ていただくと更に楽しめる作品ですので、是非おすすめです。
まとめ
新海誠作品のおすすめをランキング形式で紹介しました。
これだけ映像のクオリティーが高いアニメーションを次々と作りだしていて、新海誠監督は天才です。
ランキングにするのもおこがましい気がしましたが、これからもっと新海誠作品観たいという人の参考になればと思い書かせていただきました。
どの作品も各々素晴らしいのですが、作品によってはちょっと難しかったり好みというのもありますので、このおすすめの内容で自分にあった作品を選んで鑑賞していただけたらいいなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。