「トータル・イクリプス」はア○ルトゲームメーカー「age(アージュ)」から発売されたPCゲーム『マブラヴ オルタネイティヴ』のスピンオフ企画として、テックジャイアンで連載された小説です。原作のマブラヴオルタネイティヴはR18制限のあるゲームでありながら多数のファンを獲得し、様々なジャンルで派生作品がたくさん出ていますが、今回紹介するTVアニメ「トータル・イクリプス」もそのひとつです。
本記事でTVアニメの内容を振り返り、いずれ来るであろう2期に備えましょう。
トータル・イクリプスとは?
(出典:Dアニメストア)
トータル・イクリプスは、原作である「マブラヴ オルタネイティヴ」はPCゲームとして2006年2月24日に発売されており、数々の派生作品を生み出しています。トータル・イクリプスは原作のマブラヴと同じ世界・時間軸ですが違う時期・場所・キャラの話になっており、シリーズ初のアニメ化などマブラヴファンを大いに盛り上がらせた作品です。
ここではトータルイクリプスのあらすじや用語を簡単に解説します。
マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス(muv luv alternative total eclipse)
作品の正式名称は「マブラヴ オルタネイティヴ トータル・イクリプス(muv luv alternative total eclipse)」です。
通称「マブラヴ te」
トータルイクリプスは「マブラヴTE」と略されていることが多いです。
あらすじ・ストーリー
(出典:ファミ通)
まずは公式あらすじを引用してみます。
1973年、地球に襲来した異星起源種「BETA」によって引き起こされた戦争は、人類を滅亡の淵へと追いやった。
圧倒的な物量で迫るBETAに対し、人類は対BETA戦、人型兵器「戦術機」を実用化して戦線に投入、世界規模の抵抗を試みた。
しかし、押し寄せるBETAに劣勢を強いられた人類は、ユーラシア大陸の大半を失うことになる。
以降、30年近くも攻防は続くが、BETAとの戦いに光明は見えず、人類は未だ泥沼の中でもがいていた。2001年、極東の最前線を支える日本帝国では、次期主力戦術機の開発が問題となっていた。
そこで、国連軍の「プロミネンス計画」における日米共同の戦術機改修計画が提案される。
帝国斯衛軍に籍を置く篁唯依は、計画責任者の任を与えられてアラスカへと向かう。
それと同じ頃、米国軍の若き衛士ユウヤ・ブリッジスもまた、アラスカの地を目指していた。その出会いが運命を大きく変えることを、このときのふたりはまだ知らずにーー。
https://muv-luv-te-anime.com/story/story0/
トータルイクリプスを含めたマブラヴシリーズにおいて、敵であるBETAとは意思の疎通がまったくできません(意思の疎通を目的としたオルタネイティヴ計画というものが存在しますが、目立った成果は上がっていません)。
和解や停戦の交渉などは一切できないため、どちらかがすべて駆逐されるまで戦争は終わらない状況です。30年以上の時間をかけてなお人類は劣勢で、かなり絶望的な世界というのがわかります。
日本の戦術機である「不知火」を改修しようと、優秀な技術者と衛士と呼ばれる戦術機のパイロットを集めたXFJ計画を立ち上げますが、トータルイクリプスはこのXFJ計画に参加する人々を描いた物語となっています。
アルゴス小隊
(出典:#8)
正式名称は「国連第1試験開発部隊・XFJ計画所属実証実験小隊 アルゴス」であり、新型戦術機の開発を目的として結成されました。主人公のユウヤ・ブリッジスをはじめ、多数のテストパイロットが所属しています。
マブラブって何?
(出典:Amazon)
マブラヴは多数の派生タイトルを生んでおり、今回紹介しているトータルイクリプスはそのひとつです。すべての始まりとなったPCゲーム版マブラヴは2003年2月28日に発売されています。
- マブラヴ(EXTRA編)
- マブラヴ(UNLIMITED編)
- マブラヴ オルタネイティヴ
- マブラヴ トータル・イクリプス
「EXTRA編」では男子高校生である主人公が魅力的なクラスメイトたちとドタバタラブコメディを繰り広げ、恋をして結ばれる王道的ADVゲーム。
一方「UNLIMITED編」はあるとき主人公が突然に、宇宙人と戦争をしている異世界へ飛ばされてしまいます。
ここから世界観がガラッと変わり、よく知るクラスメイト(ヒロインたち)は容姿はそのままに軍隊の訓練を受けていたり、世界のたどる歴史が元の世界と違っていたりします。平和だった「EXTRA編」とは違い、本物の軍人(訓練兵)としてよくわからないまま必死に生き延びていく、そんなストーリーになっています。
そして「マブラヴ オルタネイティヴ」では、「UNLIMITED編」の最後に『はじめから、俺に力があれば……』と願った結果、主人公は記憶と身体的な強さを保ったまま、「UNLIMITED編」の狂った世界をはじめからやり直しすることになります。前の世界で培った経験と知識及び技術、そして未来に何が起こるかを知っている主人公は、前の世界よりも優位に立ち回り、元の世界に戻る手立てを探しながら仲間たちと共にBETAとの戦争に身を投じていきます。
今回紹介するトータルイクリプスはこのマブラヴ オルタネイティヴの裏側で行われている、新たな戦術機の開発現場にフォーカスしたものとなっています。
「人類を無礼るな」
(出典:Twitter)
マブラヴ作品で有名なセリフです。出典は「マブラヴ オルタネイティヴ」の御剣冥夜というキャラクターで、「じんるいを なめるな」と読みます。
ストーリー終盤で、冥夜はBETAに追い詰められ絶体絶命の危機に陥ります。神経を支配され、身体の自由を奪われ、それでも冥夜は諦めず人類の存亡をかけて立ち向かいます。「人類をッ…………なめるな……ッ……!!」
絶対に屈せず人類の未来をかけて最期まで戦い抜く、そんな強い意志を表現したこの言葉は多くのマブラヴファンの心を打ちました。なおKOTOBUKIYAの御剣冥夜のフィギュアのパッケージにも使われています。
時系列・歴史年表
マブラヴの世界観をさらに知っていただくために、マブラヴ世界での出来事(主にBETAと戦術機関係)を簡単な歴史年表にしてみました。
1958年 米国の探査衛星ヴァイキング1号が火星で生物を発見
1967年 国際月面恒久基地「プラトー1」の地質探査チームがBETAを発見、消息を絶つ。ここから人類とBETAの戦争開始
1973年 中国新疆ウイグル自治区カシュガルにBETAの着陸ユニットが落下、地球でのBETAとの戦いが始まります。
1974年 米国、人類初の戦術機F-4ファントムを実戦配備
1994年 94式戦術歩行戦闘機「不知火」を配備開始
1998年 BETAが日本(北九州)上陸
2001年 BETAが新潟に上陸し、同年XFJ計画が始動する。
新作
(出典:神ゲー攻略)
マブラヴシリーズは今も制作が続いており、直近ではスマホゲームも登場するとの情報があります。
2019年12月19日にスマホ向けゲーム「Project Immortal(プロジェクト イモータル)」の開発を正式発表しています。
またシリーズの正統続編として
「マブラヴ オルタネイティヴ インテグレート」というタイトルも発表されています。媒体や発売時期は未発表のためわかりませんが、今後の作品の盛り上がりが期待できますね。
アニメ「トータル・イクリプス」
(出典:アニメ!アニメ!)
マブラヴシリーズは様々な媒体でシリーズ展開していますが、中でも一番初めにアニメ化したのがトータル・イクリプスです。マブラヴファンは同シリーズのアニメ化を心待ちにしていましたが、原作のマブラヴオルタネイティヴはとにかく設定が細かく長編で、アニメ化するには高いハードルがありました。そこで小説展開していたトータル・イクリプスからアニメ化することによりその後のメディア展開に弾みをつけようとしていたようです。
そんなトータル・イクリプスは、BETAと戦うための兵器「戦術機」の新型を開発するあるプロジェクトのお話です。
放送日
2012年7月1日から同年12月23日まで、テレビ東京・AT-Xほかにて放送されました。
キャスト
数々の有名声優を贅沢に当てています。
- ユウヤ・ブリッジス:小野大輔
- 篁 唯依:中原麻衣
- クリスカ・ビャーチェノワ:生天目仁美
- イーニァ・シェスチナ:能登麻美子
- ステラ・ブレーメル:大原さやか
- タリサ・マナンダル:野川さくら
- ヴィンセント・ローウェル:杉田智和
他のアニメ作品でも活躍している方ばかりで、声優好きの人にも嬉しいキャスティングですね。
「帝都燃ゆ」
アニメの第1話及び第2話は「帝都燃ゆ」というタイトルで、前後編構成になっています。
帝都という言葉は、マブラヴの世界における京都を指します。主人公の篁唯依は将軍家の出自で、将来自ら戦術機を駆って先陣に立ち、部下に範を示す指揮官として活躍するため衛士養成学校に通います。訓練の中でクラスメイトたちと絆を深め、厳しくも楽しい日々を過ごしていました。
そんな中、BETAの本格的な日本侵攻が始まり、唯依たちは訓練も半ばに実戦へと駆り出されることになります。
アニメ「トータル・イクリプス」の2期・続編は?
アニメ「トータル・イクリプス」は2012年7月1日から12月23日まで放送され、全24話で1期を終了しています。1期から10年近くが経過していますが、2期はあるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
2期のプロットについて
マブラヴ・age主催の公式オンラインイベント"夏コミが無くなるのが嫌なのでWEBに極振りしたいと思います。"が2020年5月2日に行われ、原作者である吉宗鋼紀さんがトータルイクリプスの続編プロットの存在についてコメントしています。
2期のプロットは存在していたが、別の派生作品である「TDA(マブラヴアンリミテッド ザ・デイアフター」に移っていった。
吉宗鋼紀さんのサークルによる同人誌「第三次武士っ娘ツンデレ大戦」にはあらすじや戦術機について書かれている。
TEはテロをきちんと描くのが大変なので、筆が止まってしまった部分もある。
ユーザーからの期待値や反響があれば、今後続きを描くことがあるかもしれない。
(引用:https://dengekionline.com/articles/35283/)
公式のイベントでプロットの存在に言及し、関連書籍にその一部も公開されていて、何より原作者が「続きを描くかもしれない」と言っている以上、2期が制作される可能性は十分にあると思います。
【トラウマ注意】トータル・イクリプスはグロい?
(出典:#12)
BETAとの戦争は常に死と隣り合わせです。アニメにおいてもその設定は徹底されており、グロテスクなシーンも入れることにより悲壮感と絶望感を演出しています。トータル・イクリプスを含め「マブラヴはグロい!」という口コミが多数存在しますので、その一部を紹介します。
モグモグされてる所とか真っ黒でしたけど別に見たくはないしな。しかし山城さんの悲壮感がパナイ。
http://twodimension.net/archives/2012/0710_195706.shtml
第2話では学校で仲が良かったキャラが容赦なくモグモグされます。モブキャラではなく、第1話から共に勉学や訓練に励んできた仲間が無残に食べられるところがキツイという声もありました。
視聴者「オォゥ…安芸ィ…志摩子ォ…和泉ィ…上総ァ…」
https://dic.pixiv.net/a/%E5%B8%9D%E9%83%BD%E7%87%83%E3%82%86
こちらも第2話です。一度に4人の友人を亡くす主人公唯依。訓練半ばでの出撃で、BETAの容赦ない攻撃に次々と倒れていきます。
頭だけ"ゴロゴロッ…"と転がったりとか
http://blog.livedoor.jp/geek/archives/51362232.html
BETAは人間をバラバラにして食べるんです。このシーン、テレビ版では暗転や黒塗りなどで修正されていますが、BD版では見えるようになっているそうです。
他にも多くの方が「グロい」「トラウマになった」と言っています。
特に第2話「帝都燃ゆ(後編)」では、唯依のクラスメイトたちが短時間のうちにものすごい勢いでBETAにやられていきます。その描写は生々しく、トラウマシーンとしてまとめられるほどです。
宇宙人と生きるか死ぬかの戦争をしているのですから、そういったシーンがあるのは当然といえば当然ですが、妙に描写を誤魔化すよりもグロいシーンをしっかりと描くことで物語に重厚感を与えているようです。グロいのが苦手な方は注意が必要ですが、そんなところもマブラヴシリーズの魅力だと思います。
PC・ゲーム「トータル・イクリプス」
(出典:Amazon)
実はこのトータルイクリプスという作品、アニメ版だけでなくゲームでも楽しむことができます。
PS3・Xbox360版
アニメ放送が2012年、そこから1年後の2013年5月16日に5pb.GamesよりAVGソフトとして発売されています。
アニメ版の声優が声を担当しており、ストーリーは中盤まではアニメ版に準じたものとなっていますが、それ以降はアニメ版で描かれた「その後」を収録しています。
PC版
PC版として2014年9月26日にもパッケージ版で発売されており、DMMより2016年1月22日から同じ内容のものをダウンロード販売開始しています。
アニメ・ゲームだけじゃないトータル・イクリプス
トータルイクリプスはアニメ・ゲーム以外の媒体での展開が多数ありますので紹介します。
トータルイクリプスa
(出典:ぱちすろえふぇくと)
作品を題材にしたパチスロ台が出ています。メーカーはSANKYO。
漫画
(出典:メルカリ)
月刊コミック電撃大王及び電撃マブラヴ1~3にて連載されていました。第1部と第2部及び帝都燃ゆ編に分かれており、いずれもコミックス化されています。
漫画版第1部
作者はイシガキタカシさんです。第1~3巻までで、全体的にアニメの内容通りですが、サブストーリー的な要素も上手く挟まれているのでアニメ視聴済みでも楽しめます。3巻まででアニメの4話あたりまで話が進んでいます。
漫画版第2部
作者はROHGUNさんです。こちらもアニメ通りに進みます。第1~第6巻まであり、第1巻はアニメの5話から始まります。こちらもアニメにはない部分が追加されており、トータルイクリプスの世界をより深く理解することができるようになっています。
帝都燃ゆ編
作者は綱島志朗さんです。アニメ版の1話と2話の内容を再構成し若干のエピソードを加えた作品となっており、絵の上手さ、表現の巧みさが際立っています。
小説・完結
(出典:Amazon)
トータルイクリプスの原作としてエンターブレインのファミ通文庫より出版されています。文庫本として1~6巻まで発売されており、すでに完結しています。内容はアニメ版と同じになっており、小説ならではの細かな心理描写が魅力です。
SS
SS(ショートストーリー、サイドストーリー)とは主にファンによる非公式の二次創作小説を指しますが、マブラヴシリーズはその種類がとても豊富です。SSであれば公式であまり掘り下げられなかったお気に入りのキャラクターや出来事などにフォーカスして自由に書けるため、原作にはない作品の楽しみ方ができるのが魅力です。
おすすめss
アニメや原作にはない設定、あり得ないけどあったら楽しいだろうなという状況を楽しむにはもってこいのSS。次におすすめのSSをいくつか紹介したいと思います。なおトータルイクリプス以外のキャラも登場するものがありますので、より深く知りたい方は他のシリーズ作品に触れるのもいいかもしれません。
・トータル・イクリプス Side Story
https://2.novelist.jp/61183.html
恋模様に焦点を当てたSSです。
・マブラヴの皆さんが入れ替わったようです
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12222390#2
マブラヴシリーズのキャラ入れ替わりものです。トータルイクリプス以外のシリーズのキャラも登場します。
・マブラヴオルタネイティヴOutside Chronicles
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=7422741
マブラヴシリーズのその後を書き出した内容で、かなりの長編ですが細かな設定がよくできています。
篁唯依のss
次にトータルイクリプスの主人公のひとりである篁唯依に関するSSを紹介します。ギャグ系からシリアス系までいろんなSSがあるので、他にどんな作品があるのか、もしくは自分なりの解釈でSS化するのも楽しいかもしれません。
トータル・イクリプス~again and again~
http://hatukinokibunya.blog68.fc2.com/blog-entry-192.html
アニメ版のその後のストーリーです。
マブラヴ短編集ー新型戦術機その名は…
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=12558884#3
一発芸並みに短いですが、こんな日常があったら面白いですね。
Muv-Luv ユウヤ・ブリッジスの第二な人生
https://syosetu.org/novel/108526/
戦闘の末、大事な人を思って死亡したユウヤ……のはずが、目覚めるとそこは、似ているようで全く違う世界だったという内容です。
トータル・イクリプス「シュヴァルツェスマーケン」
(出典:テレビ東京)
マブラヴシリーズには「シュヴァルツスマーケン」というスピンオフ作品もあります。
こちらはマブラヴの世界を題材にしたライトノベル作品が原作で、ファミ通文庫より2011年6月から2014年4月にかけて全9巻が刊行されています。
この作品の舞台はトータルイクリプスよりも過去の1983年のヨーロッパなので、唯依やユウヤなどトータルイクリプスのキャラは登場しませんが、戦術機演出はトータルイクリプスと同じ大河広行さんが担当しており、トータルイクリプスでは時間の都合でやりたくてもやりきれなかった細かい演出が再現されています。
トータルイクリプスのアニメを見たファンは、さらに細かな技術や演出が盛り込まれたシュヴァルツェスマーケンのアニメも楽しめそうです。
世界観を共有しつつ、様々な地域、時代にフォーカスした作品がたくさん作られているマブラヴシリーズ。その作品たちに触れれば触れるほど、その独特な世界観にハマってしまいそうです。
トータル・イクリプスの登場人物・キャラクター
トータル・イクリプスには魅力的なキャラクターがたくさん登場します。それぞれの特徴を簡単に解説していきます。
まずはメインキャラクターをご紹介します。
ユウヤ・ブリッジス(CV:小野大輔)
(出典:Twitter)
今作の主人公。アルゴス試験小隊所属。アメリカ陸軍出身の優秀な衛士。その腕前は誰もが認めるほどで、最新のF-22ラプター3機を相手にF-15で4分近く戦いを継続できる実力がある。
日本人の父と米国人の母の間に生まれたハーフで、幼少期の体験から自身の生まれにコンプレックスを抱いています。
物語の序盤ではその気難しさから上官である唯依と衝突することも多々ありますが、仲間たちとの交流や修羅場を潜り抜けていくうちに人間としても大きく成長していきます。
またゲーム版ではメインヒロインである唯依との複雑な関係性も明らかになるなど、主人公として相応しいキャラクターです。
篁 唯依(CV:中原麻衣)
(出典:みんカラ)
今作のメインヒロインであり、もう一人の主人公。譜代武家である篁家の当主で、年若いながらも配備開始間もなく生産数が少ない貴重な武御雷F型(山吹色のタケミカヅチ)を与えられた多くの実戦経験と高度な操縦技量を持つ少女です。
訓練学校時代に京都防衛線に駆り出された際(アニメ第1話「帝都燃ゆ」)に同期を全員失い、また若くして篁家の当主という責務を負ったため強い責任感を負っています。
そのため性格は実直で生真面目、他人に厳しく己にも厳しいという正に堅物です。礼儀正しい一面、しかし反面年相応の気弱な面もあり、決して他人にはその姿を見せないようにしています。
ユウヤ・ブリッジスに恋心を抱き初めて、軍人としてのポジションと女性としての恋心に葛藤し、可愛らしい一面を見せることも。
篁唯依は以下の記事で解説しています。
クリスカ・ビャーチェノワ(CV:生天目仁美)
(出典:Twitter)
ソビエト連邦陸軍の「イーダル試験小隊」に所属する衛士です。他を圧倒する戦闘能力を有し、複座パートナーのイーニャと共に「紅の姉妹」の異名で呼ばれています。周囲に対しては冷淡な態度を取りますが、イーニャについては愛情とも執着ともつかない感情を見せることがあります。
実はアニメ後半では真のヒロインとも言える活躍をします。クリスカとイーニァはソ連の研究開発の結果生み出された特殊な存在であり、自我や感情に乏しい人格でしたがユウヤと出会ってから様々な出来事を経て、少しずつ自分の気持ちを理解できるようになっていきます。
ソ連チームのクリスカやイーニャは以下の記事で解説しています。
イーニァ・シェスチナ(CV:能登麻美子)
(出典:Twitter)
クリスカと共に「紅の姉妹」と恐れられる、ソビエト連邦陸軍「イーダル試験小隊」の衛士です。クリスカと複座型の戦術機に乗り、各国の開発衛士を圧倒するほどの技量を示しますが、その外見と振る舞いには幼さが残っています。クリスカを姉のように慕い、離れることに対して恐れを見せます。ユーコン基地で出会ったユウヤに興味を持ち、無邪気に懐いてきます。
次にサブキャラクターをご紹介します。
ステラ・ブレーメル(CV:大原さやか)
(出典:Twitter)
アルゴス試験小隊所属の衛士。スウェーデン王国出身で、その美貌から冷徹で感情のない性格に思われがちだが、面倒見がよく頼れる存在でもあります。
タリサ・マナンダル(CV:野川さくら)
(出典:Twitter)
アルゴス小隊所属の衛士。ネパール出身で、ユウヤとは頻繁に口論するような関係だが、敵対心が強いわけではなく、同僚として程よい信頼関係の中ハイレベルな高機動近接戦闘技術を駆使して任務に邁進します。
ヴァレリオ・ジアコーザ(CV:浜田賢二)
(出典:Twitter)
アルゴス試験小隊所属で、ヨーロッパ戦線の実戦で培った高い戦闘技術を持つパイロット。状況判断能力や機動制御技術に優れ、小隊の仲間たちからも信頼を得ている。周囲をにぎやかにしてくれるムードメーカー的存在。
崔 亦菲(CV:石原夏織)
(出典:Twitter)
ツイ・イーフェイと読む、暴風(バオフェン)試験小隊所属の衛士。小隊長を務める統一中華戦線の中尉です。アルゴス・イーダル試験小隊に対して対抗意識を燃やし、ユウヤへのアプローチをかけています。
フィカーツィア・ラトロワ(CV:本田貴子)
(出典:Twitter)
ソ連陸軍ジャール大隊指揮官。ロシア人でありながら、被支配民族中心に構成された部下たちから絶大な信頼を受けている。ユウヤに対して侮蔑的な態度を見せるが、その胸中では部下に対するものと同様の想いを抱いている。
フェーベ・テオドラキス(CV:高森奈津美)
(出典:Twitter)
オペレーターの中では最も若い15歳のギリシャ人です。女性士官である唯依には心を許していますが、年上の男性には警戒感を示すことも多い。行動の端々に年齢相応の子供っぽさが表れてしまっているのを本人は気づいていない様子です。
キース・ブレイザー(CV:松本忍)
(出典:vrndb)
特殊戦教導部隊”インフィニティーズ”の小隊長で、アメリカ陸軍中尉。冷徹だが癖のある部下たちをまとめ上げる器の大きさも併せ持っています。
イェジー・サンダーク(CV:斧アツシ)
(出典:Twitter)
イーダル試験小隊の指揮官で、ソビエト連邦陸軍の中尉。部下であるクリスカとイーニャですら「消耗品」と見なすなど、目的達成のためなら手段を厭わない非常な性格です。
シャロン・エイム(CV:田中理恵)
(出典:Twitter)
インフィニティーズ所属の衛士。ユウヤと元同僚で、かつては付き合っていたこともあるようです。陽気な性格で世話好きだが、時折強がりな面も覗かせます。
帝都燃ゆ(1・2話)のみに登場
帝都燃ゆの登場キャラをご紹介します。
山城上総(CV:植田佳奈)
(出典:Twitter)
篁唯依と同じく、京都衛士訓練学校に通う訓練生。唯依をライバル視していたが、次第に打ち解け親友同士の間柄となります。
能登和泉(CV:金元寿子)
(出典:Twitter)
京都衛士訓練学校に通う訓練生。恋人と一緒に映っている写真が入ったロケットを常に肌身離さず持ち歩いています。
石見安芸(CV:藤村歩)
(出典:Twitter)
京都衛士訓練学校に通う訓練生。ボーイッシュなショートカットの女の子で、性格は明るく活発、小隊内のムードメーカーでもあります。
甲斐志摩子(CV:高橋美佳子)
(出典:Twitter)
日本帝国 斯衛軍衛士養成学校に通う唯依の級友です。登下校や学校生活において常に唯依と行動を共にしており、部下のような立ち振る舞いをしています。
ジャール大隊
(出典:fc2ブログ)
ソビエト連邦陸軍の部隊で、隊員の大多数がロシア人以外の民族の少年・少女兵で構成されており、支配者層に対して反感を持つ者が多い大隊です。この大隊の隊員たちは、大隊長のラトロワ中佐のことはロシア人でありながらも母親のように慕っています。
主にゲームや他作品に登場するキャラクター
テオドール
(出典:Twitter)
前述した「シュヴァルツェスマーケン」の主人公です。実は、トータルイクリプスにも登場しているという説があります。
イングヒルト
(出典:Twitter)
前述した「シュヴァルツェスマーケン」に登場します。
トータルイクリプスbetaの種類
ここで敵であるBETAについて振り返ってみます。人類の生存を脅かし、世界を絶望と混沌に陥れているBETAですが、それぞれの大きさや特性によっていくつかの種類に分類されています。
光線級(レーザー級)
(出典:マブラブ戦記)
衛士が最も恐れていると言っても過言ではないのがこの光線級です。「380㎞離れた高度1万mの飛翔体を的確に捕捉可能」という驚異的な索敵能力と、単純射程距離200~300㎞、直撃を受ければ航空兵器は大破、最悪撃墜せしめる高出力、そして光学兵器であるため一瞬で届く、と最悪の要素が揃っており、既存の航空兵器は完全に無力化されました。このBETAに対抗する戦術の構築こそが対BETA戦の鍵を握っていると言っても過言ではないほど。
兵士級(ソルジャー級)
(出典:WIKI)
BETAの中で最小の種。戦闘中に捕獲もしくは捕食した人類を再利用して生成されているらしいですが、動きは人間以上に素早く、腕力も数倍はあります。
突撃級(デストロイヤー級)
(出典:マブラブ戦記)
BETA群の先鋒を担う多足歩行の大型種。前面の殻は非常に硬く(モース硬度15以上)その突進による破壊力は他のBETA種を圧倒します。前面への攻撃はほとんど効かないので、側面もしくは背後からの攻撃が推奨されています。
戦車級(タンク級)
(出典:マブラブ戦記)
BETA群で最大個数を誇る中型の多足歩行種。戦術機の装甲すら噛み砕く強靭な顎を持つため、大破した、あるいは多数の戦車級に取りつかれて動けなくなった戦術機が衛士もろとも「喰われて」しまいます。そのため最も多くの衛士を殺したBETAと言われています。
要撃級(グラップラー級)
(出典:マブラブ戦記)
BETA群における大型種の約6割を占める多足歩行種で、BETA戦力の中核をなす種です。特徴的なのはその頑強な前腕で、黒っぽい部分はモース硬度15以上。それを駆使した近接格闘能力と、正面に対する防御力が高いです。
トータル・イクリプスの機体・戦術機
BETAとの戦闘に欠かせないのが戦術機です。戦術機は現実の戦闘機と同じ名称が使われていたり開発元の設計思想が機体に色濃く反映されていたりと、詳しく見ていくとかなり深い設定があります。アニメに登場するいくつかの戦術機と兵装を紹介します。
ジュラーブリク
(出典:ニコニコ静画)
近接格闘能力に優れた第2世代戦術機。両前腕部にモーターブレードを、機体各部にスーパーカーボン製のブレードベーンを搭載しています。
チェルミナートル
(出典:Amazon)
前述のジュラーブリクの強化発展型。クリスカとイーニャの駆る戦術機です。
不知火 壱型丙
(出典:ボークス)
不知火の改修機。機動特性への影響が著しく、一般衛士では改修前の水準の能力も引き出せないピーキーな機体となってしまい、100機にも満たない時点で生産中止されました。
戦術機 吹雪
(出典:マブラブ戦記)
基礎技術開発のために試作され、後に第3世代への訓練機として正式採用された戦術機。衛士の教育において練習機として使用されていますが、その性能は実戦にも耐え得るものであり、緊急時には実弾兵装に換装し前線投入もされている機体です。
殲撃10型
(出典:ボークス)
統一中華戦線とイスラエルが共同開発した第2世代戦術機。機体各部にカーボンブレードとリアクティヴアーマーを装備しています。頭部には特徴的な装甲ラウンドモニターがあります。
不知火二型
(出典:Amazon)
XFJ計画で生まれた概念実証実験機。日本帝国の不知火壱型丙をベースに多数の米国産パーツが組み込まれています。
武御雷
(出典:Amazon)
将軍家直属となる日本帝国斯衛軍が00年より制式採用した純国産の第3世代機。将軍家及び直衛する人間だけに使用が許された機体であり、そのカラーリングは、紫を上位モデルとして、青、赤、黄、白、黒と色分けされており、上位機に比して高い性能を与えられています。
タケミカヅチ・武御雷 黒
(出典:Amazon)
黒い機体のタケミカヅチは武家の出身ではない一般衛士が搭乗する機体です。
ラーストチカ
(出典:ボークス)
ソ連ミコヤム・グルビッチと米国ノースロック・グラナン社が共同開発した準第3世代戦術機。
撃震
(出典:FC2)
人類初の戦術機F-4ファントムの帝国軍仕様機。運用性や信頼性は新型機より格段に安定しているため、長きにわたって人類戦力の中核を担っており、2001年時点でも拠点防衛などの任務で使用されています。
ラプター
(出典:Amazon)
戦域支配戦術機の異名を持つ、米国ロックウィード社の第3世代戦術機。BETA大戦後の世界を想定の範囲内とした設計で、ステルス性能や機動性能には目を見張るものがあります。
ファイティング ファルコン
(出典:Amazon)
F-15イーグルの廉価版ともいえる戦術機。価格を抑えた廉価版とはいえ、設計時点の最新技術を多く取り入れており、拡張性、兵器搭載量以外の面でF-15イーグルとほぼ同等の性能を発揮しました。
電磁投射砲
物体を電磁誘導(ローレンツ力)により加速して撃ち出す装置です。
99型電磁投射砲
(出典:ニコニコ静画)
120㎜砲弾を毎分800発という高速で連射することが可能な、兵器史上初の実用戦術電磁投射砲。稼働には小型・高効率の大電力発電装置や、高負荷に耐える砲身構造材などが必要でしたが、BETA由来の技術により問題は解消され実用化されました。
最強の戦術機は?
対BETA戦においては様々な状況が発生するので、どの機体が最強ということは言えませんが、少なくとも性能という点においてはF-22Aラプターが頭ひとつ抜きん出ていると思います。特にBETA大戦後の世界を見据えて設計されているため、戦術機同士の戦闘においてはその力を遺憾なく発揮するでしょう。しかしながら最後にものをいうのはパイロットの腕です(ゲーム版マブラヴオルタネイティヴの作中では、ラプターは不知火に負けています)。単純な性能差だけでは決まらない、そんなところも妙にリアルで面白いですね。
【ネタバレ・死亡】トータル・イクリプスの結末は?
マブラヴシリーズではかなりの重要キャラクターでも容赦なく死んでいくことで有名です。アニメでは死なずとも、その後を描いたゲーム版で死亡が確定しているキャラもいますので、ネタバレになりますがアニメでの死亡キャラ及びストーリーの結末をまとめてみます。
死亡キャラまとめ
トータル・イクリプスの死亡キャラを見ていきましょう。
唯依の同級生たち
(出典:アージュ公式)
山城上総、能登和泉、石見安芸、甲斐志摩子の4名はいずれも唯依の大事なクラスメイトでしたが、いずれも2話でBETAとの戦闘で死亡しています。
グロアニメで有名なトータル・イクリプスですが、意外にもメインキャラの死亡は、アニメ版ではこれだけです。
山本伍長
(出典:#12)
12話でポット出のキャラクターですが、篁唯依を守るために懸命に闘います。
最後はBETAにもぐもぐされてしまいます。最高の働きっぷりでした。
【原作ネタバレ】クリスカ・ビャーチェノワ
(出典:YouTube)
メインヒロインのひとりですが、アニメ最終話より後のエピソードで死亡が確定しています。ゲーム版にて、ユウヤとイーニァの3人で逃亡するも生命維持に必要な薬を服用できずにユウヤとイーニァに看取られながら全身の細胞を壊死させて死亡します。
【原作ネタバレ】篁唯依は死亡・・・?
(出典:楽天ブログ)
原作で計画を知りすぎた篁唯依は狙撃され、死亡したようにみえましたが、実は生きています。
恋愛
アニメの前半は唯依との恋模様が注目されましたが、後半ではクリスカとの関係が強くなっていきます。ユウヤは自分と近しい境遇のクリスカを守りたいと思う気持ちを強めていき、終盤では立場や役割を放棄してでも愛しい人を守ることを選択します。
唯依はクリスカの気持ちを知り、このような言葉を残します。
「敵よりももっと厄介で質が悪い関係ーーー恋敵だ」
BETAとの結末
アニメ最終話時点ではBETAとの戦争は終わりません。人類の圧倒的な劣勢は変わらず、このままではいずれ人類は負けてしまう流れは続いています。
トータル・イクリプスの歌・OP・曲・挿入歌
アニメの主題歌といえば、その作品を象徴する重要なものですよね。次にトータル・イクリプスで使用されている楽曲を紹介します。
アニメOP
倖田來未さんの「Go to the top」です。
倖田來未さんの真骨頂ともいえるダンス・チューンで、ダブステップ要素を大胆に取り入れた疾走感あるビートが炸裂しています。恋愛、人生と様々な葛藤の中で生きる人々へ向けたメッセージが込められた楽曲。
特にアニメでのイントロは癖になり、頭から離れません。
アニメED
栗林みな実さんの「signs ~朔月一夜~」です。
栗林みな実さんといえば、マブラヴオルタネイティヴでも声優として出演し、制作メーカーであるageの他作品の主題歌も担当しているお馴染みのアーティストです。
壮大ですが悲哀が混じったメロディと、アニメ本編の映像とこの曲のイントロがかぶる演出がとても秀逸で、作品のハードな世界観にマッチしています。
アニメ挿入歌
BETAとの戦闘シーンをはじめ、盛り上げに大きく貢献する挿入歌を紹介します。いずれもシーンにマッチした素晴らしい楽曲となっています。
NO PLACE LIKE A STAGE
作詞 - 谷山紀章 / 作曲・編曲 - 飯塚昌明 / 歌 - GRANRODEO
第3話と第16話で使用されました。
True 4 Eyes
作詞・歌 - 栗林みな実 / 作曲 - アンプロヴィデンス計画 / 編曲 - 山下洋介
第4話で使用されました。
Apocalypse of Destiny
作詞 - 池畑伸人 / 作曲 - プロミネンス計画 / 編曲 - 山下洋介 / 歌 - ayami
第5話と第23話で使用されました。
ゲーム版
主題歌として、奥井雅美さんの「INSANITY」が使用されています。
ロックな曲調でノリやすい楽曲であり、動画サイトではMADにもよく使われている名曲です。
トータルイクリプスの壁紙・画像・CG
トータル・イクリプスの壁紙・画像・CGをみていきましょう。
(出典:nicovideo)
(出典:sumapo)
(出典:Amazon)
(出典:wallpaperboys.com)
(出典:Pinterest)
(出典:blogspot.com)
(出典:HD壁紙画像ギャラリー)
(出典:web.app)
(出典:fandom.com)
(出典:ファミ通)
(出典:tsundora.com)
(出典:ファミ通)
(出典:公式サイト)
(出典:公式サイト)
まとめ
いかがだったでしょうか。数あるマブラヴシリーズの中でも全24話に渡るアニメーションとして制作されたトータルイクリプス。原作からのマブラヴファンは当然として、これが初見だという方もBETAと戦う戦術機の戦闘シーンはどれもクオリティが高く、非常に楽しめる作品となっています。
また魅力的なヒロインがたくさん登場し、ユウヤとの恋仲がどうなるかも見所です。
2期の制作はまだ正式には発表されていませんが、多くの派生作品が今も作られ続けていますし、人類とBETAの戦いは終わっていません。生き残った者たちが織り成すドラマは今後も続いていくので、ぜひ続編に期待をしつつマブラヴ作品を楽しみましょう。